10月の濡れた落ち葉

今年の10月は雨が多い気がする。どこまでも青空が続く秋晴れという日もないわけではないけれど、どうも傘を持っている記憶ばかりだ。これは個人的な印象の問題なのか、いわゆる異常気象なのかはよくわからない。もしかしたら、こんな程度の降水量では、「異常」ということはなく、十分に「正常」の範囲内ということなのかもしれない。

そもそも「温暖化」の最大の問題は、実は気温の緩やかな上昇ではない。気象の先鋭化こそが温暖化の最もやっかいな問題だ。要するに、偏西風がまっすぐに吹かずに、南北に大きく蛇行する。その結果、蛇行した偏西風のルートの東西で、まったく気象が異なるということが起きる。

東が集中豪雨なのに、西では旱魃(かんばつ)になる。同じように、猛暑と冷夏が別々の場所で共存する。

地球の温暖化が進行しているのであれば、僕らがそれを知るのは平均気温の上昇によってではなくて、降水量の変化の激しさによってだろう。

10月の濡れた落ち葉を、これからも僕らは見るだろうか。

(Photo: シャープ、Camera: RICOH Caplio RX、Place: 都内某公園)