What’s Going On 〜ニューオーリンズ問題

正義ではなく、むき出しの力が人々を支配する。そこは、インドネシアでも、アフガニタンでも、イラクでもない。まして核戦争後の地球を描いたSF映画でもなく、『北斗の拳』や『AKIRA』のようなマンガの中の世界でもない。アメリカ合衆国の現実だ。

母親たちが嘆いている、兄弟たちが次々と死んでいく なんとかして今の状況に愛をもたらそう。父親たちよ戦火をひろげないで…

("What's Going On "Marvin Gaye)

カトリーナ」という例外的なハリケーンの威力、事前の予防策の不十分さ、政府の事後対応の手際の悪さなど、ここまで事態を悪化させた要因はいくつもあるのだろうが、本質的には、米国の中における貧富の格差の大きさ*1が抜本的な原因だ。ふだんはそれがスマートに隠蔽されているに過ぎない。

1971年発売のアルバム"What's Going On "で「戦争は答ではない(War is not the answer)」と歌って争いを止めることを訴えながらも、結局は銃弾によって命を落としたMarvin Gayeが夢見た世界には、程遠い。ベトナム戦争もソヴィエトとの冷戦もイラク戦争でさえ終わったというのに。

ホワッツ・ゴーイン・オン

ホワッツ・ゴーイン・オン

*1:もっと言えば、米国の中に限った話ではないけどけどね