某カメラ雑誌に連載されていた魚返一真の「赤裸々ショット」(発行元の紹介文より)で構成された50人の素人女性の写真集。
…という触れ込みだが、50人のうち私の知っているモデルさんが2人登場していた。「素人」というのは看板に偽りありかなと思う。
写真の方は、まあそれ自体で見るべきものがあるというよりは、シチュエーションやキャプションと組み合わせて観賞することで、写真を撮る前後の女性の状況について、あれこれと空想、いや妄想するという性質のもの。
ただ、撮影の状況があまりに直截的すぎ(ファミレスで食事をしている最中に胸をはだけるとか)、かつ文章がどうにも説明的すぎて、妄想を喚起するには起爆力がちょっと弱いように思う。
どこにでもいるような女性が平凡な日常からはみ出す瞬間を捉えようというコンセプトにはすごく共感するものの、写真自体の魅力や文章の持つ世界観という点で、はみ出し切れていない感じ。妄想力が弱いというか。残念。知っているモデルさん達が載っていなかったら買わなかっただろう。
- 作者: 魚返一真
- 出版社/メーカー: 青林堂
- 発売日: 2001/06
- メディア: 単行本
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『妄想サロン』がまだ「はまぞう」になかったようなので代替として掲載しておきます。