思春期の物語として秀逸〜『彼女が好きなものは』(2021年、草野翔吾監督)

去年の劇場公開の時に見る機会を逃した『彼女が好きなものは』。

kanosuki.jp

山田杏奈愛が止まらない中、DVDの発売される6月を待てないので、下北沢トリウッドまで行ってきた。

『ひらいて』と『彼女が好きなものは』の同時上映という山田杏奈特集。

4月からのドラマでは、テレビ朝日の『未来への10カウント』、NHKの『17才の帝国』の2本に出演し、重要な役回りを演じる彼女。

しかも『17才の帝国』は『彼女が好きなものは』で共演した神尾楓珠との共演。

ということで、話題性も高まっているせいか、劇場はけっこう人が入っていた。

内容的には、良質な青春ドラマ。

スクリーンに映るのは、神尾楓珠の持つ神秘性と繊細さ。山田杏奈の演じる腐女子の過不足ないリアリティ。

BLをエンタメとして消費する風潮に一石を投じつつ、“LGBTポリコレ”に安易に着地させることもない、思春期の物語として良作。

特に、山田杏奈の演じた美術部員・三浦紗枝のスピーチが秀逸。

彼女の演技力は、やっぱり同世代の若手女優の中では頭ひとつとび抜けてると思う。

オレンジ・あかぎ団ちびーず(仮)・RABBIT HUTCH スリーマン@高田馬場BSホール

高田馬場BSホールで、オレンジ・あかぎ団ちびーず(仮)・RABBIT HUTCHの3マンライブ。


いつも群馬に遠征して観ているオレンジ・あかぎ団が東京で観られるのは貴重な機会だし、ラビハチとの組み合わせも親和性があると思って、足を運んだ。

トップバッターはオレンジ。

東京でのステージも堂に入ってきた感じ。

そしてラビハチ。

久しぶりに観たけれども、みんなお姉さんになっててびっくり。
楽曲も今のライブアイドルの王道的な感じ。

最後はあかぎ団ちびーず(仮)。

チア衣装が似合うかなでんとじゅじゅみ。

群馬にちなんだ曲多めのセトリ。

終演後の特典会はオレンジのMIYUUちゃんのところへ。

GW期間中、あかぎ団・オレンジと大活躍で何度も楽しませてくれた。

ありがとう。

次はまた群馬に行こう。

新国立劇場バレエ団『シンデレラ』(最終日)@新国立劇場 オペラパレス

フレデリック・アシュトンが振付、セルゲイ・プロコフィエフが音楽を手がけた『シンデレラ』。

誰もが知っている有名な演目だが、今回ファースト·ソリストの池田理沙子が演じるシンデレラを観たくて、新国立に足を運んだ。

パンフレット・ポスターのキービジュアルはなんと池田理沙子。

劇団の「顔」であるプリンシパルを差し置いてキービジュアルに登用するは、思い切った英断だと思う。

池田理沙子シンデレラの相手となるのは、王子・奥村康祐、仙女・木村優里。

フレッシュさが匂い出てくるような舞台になるのかなと期待して、2階最前席へ。

池田理沙子のシンデレラは純粋無垢な雰囲気が良かった。ある意味で、天使。

それから、木村優里の仙女はキラキラしていて若さに似合わない包容力をも感じさせてくれた。

王子の奥村康祐は優しさオーラを出していて実にいい雰囲気だったが、二幕で怪我をしてしまったということで、三幕は井澤駿がリリーフ出場。

今まで舞台の幕間でキャスト交代というのは経験したことがなかったので、こういうこともあるのかと驚いた。

二人の王子役を観られてよかったという面もあるけれども、お大事にされて欲しいと願う。

池田理沙子も木村優里も存在感のある演技で、二人とも今の「ファースト・ソリスト」から「プリンシパル」へと昇格するのも時間の問題だろうと思わずにはいられなかった。

新国立バレエ団、しばらく目が離せない。