「COME FROM AWAY」@アレクサンドラ劇場(トロント)

北米での最古の部類に入るアレクサンドラ劇場でミュージカル「COME FROM AWAY」を鑑賞した。

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当地ではいま人気のミュージカルで、ソールドアウト寸前の最後の一席を押さえた。

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舞台は911テロの北米。

38機の飛行機がアメリカに行けず、カナダの小さな町に緊急着陸

そこに降りた7000人の乗客が人種・性別・宗教・世代を越えて相互理解を深めていく姿を肯定的に描く。

12人の役者が衣装や小道具を変えながら1人何役もをテンポよく演じ分け、7人のバンドが場面を盛り上げる1幕100分の作品。

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舞台装置はシンプルで、強く印象に残る音楽も少なく、人物造形もやや類型的で、説明的なセリフが多め。

エンターテイメントというよりもどこか美談めいた感じのミュージカルだったが、911後のアメリカで謳われた「連帯」や、カナダで支持されている「多様性」「共存」といった価値観を前面に出した物語は見る人たちの支持を獲得している様子。

皮肉の効いたジョークにどっと笑いが起きるあたり、いわゆる「インテリ」層が好きなんだろうなと思わされた。

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おそらくは北米以外ではそれほど支持される作品ではないだろうが、当地での911の受け止めの一つとして象徴的な公演のように思う。

オンタリオ美術館(Art Gallery of Ontario)

CNタワーから劇場街を北に抜けてオンタリオ美術館(AGO)へ。

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偶然にも草間彌生展。

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欧米の現代美術館に行くと割と草間彌生展に当たるんだけれど、それだけ人気があるんだろう。

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ずっと見ていると来るものがあるけどね。

美術館は地下一階が船の模型、一階がカナダアート、二階がヨーロッパアート中心。

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宗教画から、オランダ美術、そして現代アーティストではピカソとかムーアくらいまではある。

財力に物を言わせて集めたニューヨークあたりの美術館と比べると、フェルメールがあるわけでもなく、全体的に決定的なマスターピースには欠ける感じだが、多様な文化の紹介という観点からは、バランスが取れているとう感じはある。

そして・・・

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こういうのもまあ現代アートだよね。


受付のおじいさんが「年間会員にならないか?」と勧誘してきたり、なかなか温かみのある美術館。

オンタリオ博物館(Royal Ontario Museum)

大学通りを北上し、クイーンズパークを抜けた先にオンタリオ博物館がある。

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恐竜の化石、カナダの動物の剥製・模型の展示もあって、子供の歴史科学教育向けといった感じの博物館。

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いわゆる「傑作」みたいなものは目につかないが、先住民の文化、ヨーロッパの美術品、アジア、アフリカの作品と、異文化への目線もバランスが取れている。

アウシュビッツの建築のコーナーもあった。

ロンドンの大英博物館やニューヨークのメトロポリタンなどと比べると、「人間が生み出したもの」の展示比率は低いが、これももしかしたら、ある種の相対主義なのかもしれない。

東洋文化の紹介とかかなり謎だったけどね。

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この黒人アートはクールだった。

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個人的には一番印象に残った。