モトーラ世理奈の存在感が印象的〜『風の電話』(監督・諏訪敦彦、2020年、日本)

『風の電話』を観てきた。



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東日本大震災で家族を失った少女が広島から岩手までを旅するロードムービー

遠く離れた親戚に引き取られていて、友人らしい友人もいなくて、周囲に心を閉ざして言葉少ない主人公が、故郷に向かう道の中で色々な人たちと出会い、時に心を通わせながら、自己を再発見して、恢復していく物語。

寡黙な彼女が、自宅の跡地で感情を爆発させたり、岩手の「風の電話」のボックスの中で「家族にしか言えない」内面を吐露する独白が圧巻。

ファッション/サブカル寄りイメージの強いモトーラ世理奈が、スクリーンで本格女優の片鱗を見せた。

脇を固める三浦正和、西島秀俊西田敏行らの超ベテラン俳優にも食われない「存在感」が強く印象に残る。

映画の作りとしては、時に平板であったり、トルコ人を探す謎のエピソードが挟まれたりと、とても洗練されているとは言い難いものの、モトーラ世理奈の魅力で引っ張っている作品と言っても過言ではない。

もっと別の作品で、色々な役を見せて欲しいと願わずにはいられない。

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ミュージカルに遠く及ばない失敗作〜『キャッツ』(トム・フーパー監督、2019年、英米)

「映画」とは拡張のことである。

「写真」に対しては時間の概念を加えることにより、「演劇」に対しては多面的な観点を導入することにより、より創造性の高い表現を行うことができる。

だが、「映画」はそのような拡張性を持つがゆえに、観客への見せ方を誤ると「散漫な印象」を与えかねないという罠がある。

映画版『キャッツ』は、まさにそのような「罠」にはまった典型的な失敗作になってしまった。




ミュージカルの『キャッツ』は、T・S・エリオットに詩を元に、アンドルー・ロイド・ウェバーが曲を手がけたもので、初演は1980年代ということで、もはやミュージカルとしては「古典」の部類に属するロングラン作品。

そんな古典ではあるものの、「路地裏の猫たちという猥雑さ」「特にストーリーらしいストーリーの欠如」という特徴ゆえ、これまで映画化がされたことはなかった。

だが、昨今のミュージカル映画のヒットを受け、ついに手がつけられてしまったということになる。

監督は2012年の『レ・ミゼラブル』を手がけたトム・フーパー

俳優には名優や大物シンガーを揃え、最新技術のCGも導入、とあれば、劇場で上演されてきたミュージカルの表現を軽々と越えることが期待される。

が、公開前から賛否両論というか、評論家の罵詈雑言ばかりが聞こえてくる始末。

こうなってくると、むしろ「怖いもの見たさ」で見に行きたくなるというもの。

わざわざ通常の劇場よりも500円高い、IMAXのAV環境を選んで早速鑑賞。

その結果・・・

ミュージカル『キャッツ』を何回か見たことのある僕が、目にこの映画がどう映ったかと言えば、「ミュージカルに遠く及ばない失敗作」。


cats-movie.jp


(以下ネタバレ)


ネットでは、「ネズミとかゴキブリがキモい」とか「話の内容がない」とか「オチが猫は犬と違うってなんだ」という意見も見たが、まあ『キャッツ』とはそもそもそういうもの。

だが、ミュージカルと比べてまず決定的にダメなのが、映画ならではのカメラワークとか照明とかで「迫力」が追加されていないばかりか、それを損なっているように見えること。

役者が一生懸命歌い、踊り、演技をしているのがわかるのだが、それがかえって、制作している人の情熱とかセンスの決定的な足りなさを浮かび上がらせる。

劇場の「ライブ感」がない部分を補う要素が何もない。

手間のかかったであろうCGも、世界観に馴染んでいない。


次に受け入れがたいのは、キャラクターの改変である。


僕の好きな猫でいえば、ラム・タム・タガーのクールなセクシーさは後退し、ガスの往年の演技の迫力の見せ場はほぼなくなり、スキンブルシャンクスの「仕事一筋」な生真面目さはかすみ、ミストフェリーズが持つ天然のかわいさもなくなっていた。

この中では、ガスの昔の栄光の場面を延々と見せるのは、映画的には構成がぐちゃぐちゃになるのでそれも仕方ないが、痩せたロックスターのイメージだったラム・タム・タガーが、ガタイの良いラッパーみたいになっているし、スキンブルシャンクスはタップダンス踊りまくりの小粋な人になってるし、ミストフェリーズに至っては単なるヘタレキャラになっていて、しかもクライマックスの連続ターンもなし。

ミュージカルが好きな人ほど、観たいものが観られないというフラストレーションを感じる仕上がりになっている。


他のキャラも、女性が増えたりとか、黒人が増えたりしていて、昨今の「ポリコレ」を取り入れたものになるのはやむを得ないのかもしれないが、それにしても「そこに愛はあるのか」と問いただしたくなるレベル。

代表曲とも言える「メモリー」をソロで歌って、最後は天上に上っていくグリザベラなんかは、演技も歌も濃厚すぎるくらいに芝居がかっていた。

あれで「お涙ちょうだい」というつもりの演出なのかもしれないけれども、あんなわざとらしいものを見せられたらかえって反発とか猜疑心が先立ちそうなもの、と思ってしまった。

唯一、長老猫のオールド・デュトロノミーが品のあるおばあさんになっていた「改変」だけは良かった、というか、許せた。


ミュージカルとは違う圧巻のフィナーレを見せてくれるかと思いきや、グリザベラの乗るチープな気球を見せたり、マキャヴィティの小物感をオチにしたり、あろうことか、トラファルガー広場のライオン像の所に集合させてポージングさせたりと、映画全体のしょぼさをさらに際立たせていた。


エンドロールが始まって席を立つ人も多数。僕のその中の一人。

自分としては本当に珍しいことのだけれども、どうにもいたたまれない空気から逃げ出したくなったというのが本音。


「名作」でも「カルト的な珍作」でもなく、単にクオリティの低い「失敗作」。


これ観るのなら、ミュージカルを映像にした1998年の映像作品を観た方が幸せになれるよ。


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第49回 アイマックス撮影会@ Studio Debbie's

先月に続いて二度目のアイマックス撮影会。

今回は西麻布のStudio Debbie'sでの開催。

青山裕企さんの「髪は短し 恋せよ乙女」でも有名なリリバリの沢村りさちゃんを撮れるということで、0部から3部まで参加した。

自然光を使いたいので、屋上での撮影を多め。

雨上がりということで、「ここぞ」とばかりに傘ショットを多めに撮った。

沢村りさちゃん(JK1)

制服が似合うまりもちゃん。

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メンバーカラーの緑を採り入れた私服。

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こういうの撮りたかった!という一枚。

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尾野寺みさちゃん(JK2)

ロケーションに合わせた表情が素敵。

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堀川すずちゃん(JC2)

制服似合いすぎ。

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前回よりも距離が縮まっていたらいいな。

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長原楓ちゃん(JC2)

3ビーナで撮って以来のかえぽっぽ。名前を覚えていてくれて感動。

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制服着ると完全に優等生の佇まい。

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箱入り娘感。

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虹色の傘よりも映えるかえぽっぽ。

また撮りたいな。

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今泉まおちゃん(JC2)

プロポーションの良さを引き立てる私服が素敵。

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放課後どこに行く?

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君は綺麗だ。

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咲羽ひなりちゃん(JC2)

初の撮影会だったけど、親しみやすい雰囲気の中で撮影できた。

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山坂あやねちゃん(JS5)

あやねちゃんも初撮影会。どこから見てもピュア。ピュア。

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今回はこの7名。正直「もっと撮りたい」と思ってしまった。

集合ショット

尾野寺みさちゃん&堀川すずちゃん。

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アイドルオーラが凄い二人。

そこに沢村りさちゃんと山坂あやねちゃんが合流。

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なんというか「ファミリー感」というか、「大阪発アイドル」のカラーで統一されている感じ。

最近どんどん撮影が楽しくなってるんだけど、ポートレートの場合、機材にお金かけるよりも、撮りたいモデルを撮るのにお金をかけた方がいいよね。


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