田中優子と松岡正剛が「日本とは何か」について対談を繰り広げる『日本問答』。
iPhoneのバッテリー交換をお願いしている2時間の間にKindleで読み終えた。
古代から平安時代くらいだと残された史料も少なく仮説の域を出ない話も多いが、異なるバックグラウンドを持つ二人のセッションによって、新鮮な観点が拓かれる感覚を覚えた。
ウチとソト、中国との距離感、権力の二重構造、コアのないことによるしなやかさ、寛容な宗教観などなど。
欧米的な価値観と異なる日本の性質が改めて確認されていくが、それを肯定も否定もしないというのが特徴的。
確かにそこに劣等感を感じるというべきものでもないし、逆に変な自信を持つものとも違うと思った。
去る東京オリンピックの開会式でも、参加国に自らの普遍性をアピールしていくような感じが少なかったが、あれもある意味日本的なものなのだろう。
知的刺激を受ける対談だった。