キミの夢が叶うのは―アイドルネッサンス「エビスで想い出トラベルネッサンスvol.1」@恵比寿ザ・ガーデンルーム

キミの夢が叶うのは
誰かのおかげじゃないぜ
風の強い日を
選んで走ってきた
the pillows「Funny Bunny」)

アイドルネッサンスほど急速に成長しているユニットはあまりない、と思っていた。
少しの間でも目を離せない、と。

それが、最近はそのスピードに目が慣れて来てしまっていたのも事実だった。
特に、先月のファーストワンマン「エビスではじまるネッサンス」を見たときに、自分の期待していたレベルと実際のステージがほぼ同じくらいという印象だったので、「まあ、こんなものか」と思ってしまった。

だが、それは大きな間違いだった。

今日は、恵比寿ザ・ガーデンルームに場所を移しての初めての定期公演。
先月のワンマンに続いて、キャパ500人のこの会場をソールドアウト。

「Dear, Summer Friend」でワンマンは幕を開けた。

え? 音響がまるで良くなっている…?

前回のワンマンは、音響の解像度が低かった。
音の塊となって出てくるバックトラックに、ボーカルも埋もれがちだった。

それが、今日は全然違う。
ボーカルの伸びがしっかりと聞こえ、ハーモニーの繊細な美しさも手に取るように分かる。

メンバーへの「返し」もクリアさを増していたと思われる。
そうなると、特に石野理子が変幻自在にボーカルをコントロールし始めている。

そう、アイドルネッサンスのステージは、ボーカルがしっかりと聞き取れればそれだけ味わいが深いものになる。

続く「金曜日のおはよう」は新曲。原曲はHoneyWorksの手によるボカロ曲ということで、若い世代のファンにも関心が広がりそう。

「女の子は泣かない」に続いて、自己紹介のMC。最初の新井乃亜の漫談風の語りと、最後の宮本茉凜ちゃんの「アイドル愛が止まらなーい、食欲だって止まらなーい」は変わっていなかったけれど、他のメンバーはけっこう変わっていた。

続いて、「想い出トラベルネッサンス」のコーナー。

「季節の中で」では、照明が幻想的でメンバーの美しいシルエットを浮かび上がらせた。
今日はスモークの使い方も前回よりもぐっと効果的で、照明とともに、曲想に合わせた演出の巧みさが光っていた。

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(ナタリーの記事より拝借。今日の神がかったステージを象徴する一枚)natalie.mu

クラップが楽しい「5 Happy Endで始めよう」、コールで盛り上がる「ドカン行進曲(己編)」でライブの前半は大盛り上がりとなった。

次は想い出ボイスマンが登場する「あの頃に想い出フォーカス」。

今日は「ドカン行進曲(己編)」のリリースされた2008年にフォーカス。
ということで、想い出ボイスマンが、歌詞に出てくる「超合金」の意味をメンバーに聞いたり、茉凜ちゃんにフレーズを謳わせたり。

他のメンバーには順番に歌詞の中で印象に残っているフレーズを聞いていく。

百岡古宵:ベタなジョーク
石野理子:人情物
南端まいな:くるぴー
比嘉奈菜子:己という字 金
新井乃亜:80年

続いて、「業界用語」についてのクイズコーナー。詳細は書かないけど、個人的にはアイドルネッサンスが業界用語を覚えて行く姿は見なくないので、ちょっと微妙な企画だったな。完全にオッサン目線の願望だけど。。。

ちなみに、ボイスマンは今日から2代目で、まだアイドルネッサンスのメンバーと呼吸が合わない感じもあったかな。そのせいか、この企画コーナーがちょっと長すぎるように感じた。

そして、ファンからのリクエストに応える「想い出ジュークボックス」のコーナー。

「流星のサドル」からの「う、ふ、ふ、ふ、」という80年代な展開に胸が熱くなる。これ、「想い出フォーカス」で流れが中断していなかったら、もっと楽曲世界に入れたかもしれない、と思ってしまった。

続いて、ユニコーンの「雪が降る町」。なかなか聴けないレア曲だけど、11月になるとこういうのもいいね。
雪をイメージさせるような幻想的な照明も良かった。

そして、アイドルネッサンスのライブで最高に熱くなれるUnison Square Gardenの「ガリレオのショーケース」。
終盤に入って、かなり盛り上がってきた。

ここでMC。

まず、11/24発売のミュージックフォトカードの収録曲は「雪が降る町」と「ガリレオのショーケース」のカップリングになると。前作で好評だった「あらちゃんラジオ」がパワーアップし、「あらちゃんTV」になると。これ楽しみすぎでしょ。

続いて、12月22日発売のCDの方は、the pillows「Funny Bunny」、JERRY LEE PHANTOM「Music Lovers」、KANA-BOON「シルエット」であると発表。

攻めてる。明らかに攻めてるよアイドルネッサンス


この告知に続いて、「Funny Bunny/the pillows」を初披露。エモすぎてどうしようもなく、鳥肌が立ちっぱなしだった。
りこぽんの気持ちよさそうに歌う顔が忘れられない。

キミの夢が叶うのは
誰かのおかげじゃないぜ
the pillows「Funny Bunny」)

アイドルネッサスの6人のメンバーの夢が叶ってほしい、とこの曲を聴きながら願っていた。

最後は「恋する感覚」。そして、アンコールに応えて「日曜日よりの使者」。この曲は大団円感が凄いけれども、どのメンバーも心を込めてファンに贈るように歌っている感じが凄い。と書きながら、あの場面を思い出して泣きそう。


ということで、今日のエビスで想い出トラベルネッサンスでアイドルネッサンスは、完全に新たなステージに入った感じが凄かったし、過去最高を軽々と更新したように感じた。
パフォーマンスに磨きをかけるメンバーにも、パフォーマンスをしっかりと届けるために音響や照明の仕上がりを追い込んだスタッフにも感謝の気持ちしか沸かなかった。

やっぱり、アイドルネッサンスだけは、目を離せない、ひとときも。

そんなことを改めて確認させられた定期公演だった。


(セットリスト)

1 Dear, Summer Friend
2 金曜日のおはよう/HoneyWorks
3 女の子は泣かない
4 季節の中で
5 Happy Endで始めよう
6 ドカン行進曲(己編)
7 流星のサドル
8 う、ふ、ふ、ふ、
9 雪が降る町
10 ガリレオのショーケース
11 Funny Bunny/the pillows
12 恋する感覚
en1 日曜日よりの使者