「断捨離」を考えるきっかけは、腕時計を落としたことだった。
そのときにとても悲しくなって、修理する費用のことまで考えて落ち込んだ。オーバーホールしたばっかりだったのに、とか。
それが「物に囚われる」ということだと気付くまで、それほど時間はかからなかった。
時計の修理には1カ月の時間がかかり、費用は13万円。
数千円の免責金額を除いて、ほぼ全額が携行品保険でカバーされた。
そこで僕が思ったのは、「このきれいな状態のまま売ろう」ということだった。
複数のお店を回って一番高いところに売却した。実は買った値段とほぼ同じだった。
値段が下がらなかったのは、いまは生産していない希少モデルであること、円安で類似品の価格が上がっていること、オーバーホール直後だったこと、などが効いているのだろう。
ということで、僕は気持ちよく時計を処分した。
時間なんてスマホを見ればいいと思いながら。
だが、気付いてしまった。
荷物を持って移動するときに、片手がいつもふさがっていることも珍しくはない。
だから、腕を傾けるだけで時間が分かるのはとても便利。
ということで、腕時計は手放したけど、また何かしら買わないと…