ほむらの等価交換―まどマギ10話を観て

ネット配信になった『魔法少女まどか☆マギカ』の10話を観た。以下ネタバレ。

ネット配信公式サイト:魔法少女まどか☆マギカ - ニコニコチャンネル:アニメ
(3月23日まで無料)

2週間ほど前に予想した内容(交わした約束忘れないよ〜『魔法少女まどか☆マギカ』最終回予想 - Sharpのアンシャープ日記)は大体当たっていた。この物語の正ヒロインはほむらだということ。何度もタイムループしていること。それでもほむらが戦う理由は、まどかを守るためだということ。そして、OP主題歌はほむらの気持ちを表していること。つまり、「交わした約束忘れないよ」と。

さて、しかしこうまで運命を変えるのが難しいとなると、最終回の予想は2週間前とは変わってくる。恐らく、元の平和な世界に戻るためには、単に戦うだけではダメだ。戻るためには代償が必要なのだ。それは、最初に予想したような「ほむら達の記憶」だけでは足りない。もっと大きな、「ほむらの存在」そのもののような代償が。

心臓の病気でずっと病院にいたというのは、もともと長生きできないという伏線だ。だから、ほむらは「命と引き換えに運命を変える」のだろう。つまり、自分の命と引き換えに、まどかを守る。世界を守る。これが「等価交換の法則」だ。何もこの法則はハガレンの専売特許ではない。虚淵玄の世界。虚淵玄の美学。ああ、泣きそうだ。自分の脳内ストーリーを一応書いておこう。中二病丸出しだけど。

最終回Aパート。まどかとほむらは「ワルプルギスの夜」に立ち向かう。もう何度目かのループだ。敵を倒すことが勝利でないことは分かっている。試していない選択肢はもう一つしかない。まどかとほむらが力を合わせて、この世界そのものを変えることだ。まどかもほむらも、それがお互い永遠の別れを意味することを理解する。まどかはためらう。泣きじゃくる。「ほむらちゃんと別れるくらいなら世界が終わってもいい」と。だが、冷たい態度で彼女を突き放すほむら。もうそれしかないのだ。最終的に二人は泣きながら手をつないで、心を一つにして願う。別の世界を。時空のゆがみに吹き飛ばされそうになっても手を離さず。ワルプルギスの夜は消滅していく。キュゥべえも。相転移エネルギーを集めるシステムも。すべて破壊される。そして―

最終回Bパート。元の平和な世界。まどかは、魔法使いのことも、魔女のことも、キュゥべえのこともすべて忘れている。さやかもマミも杏子もそこ世界に生きている。ごく普通の少女として。単なる友達同士として。戦いの記憶もなく。平穏だが、退屈な日々。何か特別な願いが叶うわけではない。奇跡も魔法もないんだよ、この世界には。一つの例外を除いて。 この世界を復元したのは、ほむらだ。彼女の願いが奇跡を起こした。最後の魔法を使って。でも、そのことを誰も知らない。この世界では。まどかでさえも。すべて忘れてしまった。まどかはふと見慣れないアクセサリーを見つける。何だろう。誰のだろう。まるで、思い出せない。ただ、どうしようもなく涙だけが流れてくる。なぜ。世界は平和なのに、なぜ泣けるんだろう。家族での朝食。お母さん「夢でも見たのよ。現実に戻りましょう。退屈で平凡だけど、それでいいじゃない」。まどか、何気なくアクセサリーを身につけてみる。なぜか黒髪の少女のシルエットが思い浮かぶ。でも、何も思い出せない。ただ、なぜだか幸せな気持ちに満たされる。Fin。

…なんて妄想。しかし、ほむほむのメガネっ娘は想定外。すごい破壊力。内気な性格とか、イケてない髪型とか、ドンくさい走り方とかも。もう、ほむほむだけいればいいや。それにしても、斎藤千和は芸達者だ。