小谷元彦展「幽体の知覚」

六本木ヒルズの森美術館小谷元彦展「幽体の知覚」を鑑賞。

MORI ART MUSEUM [小谷元彦展 幽体の知覚 Odani Motohiko - Phantom Limb -]

これは好みが分かれるかもしれない。ダークだし、見方によってはグロテスクだし。でも、僕は大好きだ。どれも良いが滝の映像に上下左右を包まれる「インフェルノ」は必見。世界が崩壊する様を体験できる。

小谷元彦は、東京藝術大学で彫刻を学んだ後、多様な手法と素材を用いて、従来の彫刻の常識を覆す作品を発表してきました。その造形表現と美意識は高い評価を受け、2003 年にヴェネツィアビエンナーレ日本館代表の一人として選ばれるなど、国内外でめざましい活躍を見せています。

小谷はしばしば、痛みや恐怖などの身体感覚や精神状態をテーマに、見る者の潜在意識を刺激するような作品を制作します。毛髪を編んだドレスや拘束具を着けた動物、異形の少女、屍のような武者の騎馬像など、一つの解釈に帰着しえない多層的なイメージは、美と醜、生と死、聖と俗の境界線上で妖しい魅力を放ちます。