Fate/Zeroの最終巻を読了。
- 出版社/メーカー: TYPE MOON
- 発売日: 2007/12/29
- メディア: CD-ROM
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第四次聖杯戦争を題材にした時点で、そして衛宮切嗣を主人公にした時点で、あらかじめバッドエンドであることが約束されているのに…
ほとんど誰も救われない話であるということが分かっているのに…
それでも、読了して大いなるカタルシスを得ることができるのはなぜだろうか。切嗣の信念に惚れたから? 絶望の中に小さな希望を見出したから? サーバントの見事な散り際に唸らされたから?
確かなことは、"Zero"を読んだ後では"stay night"の戦争がある種の戯画のように思えてしまうことだ。もちろん"stay night"あっての"Zero"なので、どちらが優れているというような論じ方は間違っているのだけれど。
ヘーゲルは言った。
「歴史は繰り返される。一度目は悲劇として、二度目は喜劇として」
虚淵玄は、第四次聖杯戦争を歴史における「一度目の悲劇」として見事に描ききってしまった。まったく奈須きのことそのファンにとっては罪なことをしたものだ、と思う。