馬鹿げたことはいつまで続くのか

ワールド・ベースボール・クラシックWBC)の準決勝は、日本が韓国に6-0と快勝し、キューバとの決勝戦に挑む。

今日の日韓戦には、米国寄りの判定を繰り返してきた問題の審判が登場していた。まったくこの大会の運営はどうなっているのだろう。日本側は前回の「誤審」を受け、試合後にも「質問状」を送りつけていたのだが、木で鼻をくくったような「回答」が示されただけで、結局、運営は改善しないということだ。

「こんな馬鹿げたことは長続きしない」と、僕らはよく思うのだけれども、実際には「馬鹿げているから」という理由で、馬鹿げたことが終わることはめったにない。

カミュは『ペスト』の中でこう考察している。

戦争が勃発すると、人々はいう―「こいつは長くは続かないだろう、あまりにもばかげたことだから」。そしていかにも、戦争というものは確かにあまりにもばかげたことではあるが、しかしそのことは、そいつが長続きする妨げにはならない。愚行は常にしつこく続けられるものであり、人々もしょっちゅう自分のことばかり考えてさえいなければ、そのことに気が付くはずである。
(カミュ『ペスト』(訳・宮崎峰雄))

ここまできたら日本の優勝を願うしかないが、肝心の決勝戦に、例の審判が登場しない保証はない。

ペスト (新潮文庫)

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