第8回アイドル楽曲大賞2019に投票した

アイドルシーンは縮小傾向にあり、今年も多くのグループが解散・活動休止となり、多くのメンバーが卒業・脱退した。

だが、そんな時代においても、楽しみ方はいくらでもある、と思っている。

「雨後のタケノコ」のように多くのアイドルが作られた10年代前半のマーケットはセリングクライマックスを迎え、過当競争が終わったこの先、残ったものが均衡を形作る時代になって欲しいと願う。

そんな2019年の僕の投票はこんな感じ。

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メジャーアイドル楽曲部門

1位 今日がまだ蒼くても/マジカル・パンチライン


マジカル・パンチライン「今日がまだ蒼くても」【MUSIC VIDEO】


オリジナルメンバーの佐藤麗奈が抜けて危機に直面したマジパンだが、フレッシュな新メンバー2名を加えた新体制で完全に息を吹き返した。
かつての「魔法設定」はグループ名くらいにしか残っていない正統派アイドルグループだが、この曲でボーカリスト小山リーナの実力を見せつけた。

2位 キュン/日向坂46


日向坂46「キュン」



かつての48に代わり、時代の寵児となった坂道グループ。

複数グループの乱立は、差別化の困難やカニバリズムの問題を生みがちの中、端正な長女、硬派な次女とはまた異なる「かわいいアイドル」らしさを前面に題した「妹分」としてのキャラを確立した。

紅白歌合戦への3組同時出演も納得せざるを得ない。

3位 サステイナブルAKB48


【MV full】サステナブル / AKB48[公式]


NGT48の「事件」により、48グループのイメージが大きく失墜するさなか、超新星のように現れた矢作萌夏をセンターに据えて「復活」を期した楽曲。

サステイナブル」であって欲しいという願いが込められたタイトルで、黄金時代をオマージュしたようなMVも作られたが、結果的には「矢作萌夏卒業」というエンドを迎えた。

矢作に「48グループの救世主」を期待する声も一部にはあったが、彼女がそんな十字架を負わされなかったのは、個人的には良かったと胸をなで下ろしている。

4位 ささやかな祝祭/sora tob sakana


sora tob sakana/ささやかな祝祭(Full)


順風満帆に見えたsora tob sakanaだが、今年5月の風間玲マライカの卒業により3人体制となった。

その後に発表された本シングルは「3人でsora tob sakanaを続けていく」ことへの強い決意が滲んでいる。メンバーにもスタッフにも。

5位 デリケートに好きして/新井ひとみ

東京女子流のエース新井ひとみがソロプロジェクトで80年代アイドルソングに参入。

この分野は、さんみゅ〜、ハコイリ♡ムスメなどの先駆者のいるマーケットで、「コアなファンはいるものの、数は爆発的に広がらない」ことが実証されている。

そんな中に今avexが参入したということの大人の意図を勘ぐってしまいがちだが、80年代アイドルのルックス・ボーカルをクオリティ高く再現する世界観の前では「とにかく純粋に楽しもう」という気分になる。

インディーズ/地方アイドル楽曲部門

1位 乙女心はアクアマリン/アクアノート


アクアノート『乙女心はアクアマリン』Music Video


「2010年代のアイドルシーン、色々なものが試されて、もう出尽くした」という声もある。

一方で、「楽しかった2010年代前半のシーン最盛期を忘れられない」という声もある。

そんな中2018年にデビューしたアクアノートは、2010年代の楽しかったアイドルシーンをライブでもMVでも音源でも続けてくれる貴重な存在。

中でもこの「乙女心はアクアマリン」は、10年代のドルヲタなら誰でも盛り上がれる名曲。

「アイドル横丁夏祭り」が健在なら必ず呼ばれていただろうと思うが、それを嘆いても仕方ないので、来年は大規模フェスの大きなステージで聞ける日を待っている。

2位 逆光/Task have Fun


Task have Fun "逆光"(MV)


「3WD」のワチャワチャしたイメージが強いTask。

だが、今はそれだけではない。

「全員中学生」でデビューしたTaskも今や「全員高校生」となった。

すみだしんやの手による「逆光」は、大人になっていく彼女たちの儚さと切なさを前面に出した傑作。

パリで撮影されたMVも芸術的で、Taskがまた一つ上のステージに上がったことを思い知らされる。

3位 それは月曜日の9時のように/桜エビ〜ず


ONIGAWARA × 桜エビ〜ず「それは月曜日の9時のように」 @ 新宿LOFT -New Album「octave」(8/21 release)-


去年の「リンドバーグ」でアイドル楽曲大賞インディーズ2位まで登りつめた桜エビ〜ず。

新曲連続リリースの手は緩むことなく、しかも良質な楽曲を提供し続けたが、中でもこの「それは月曜日の9時のように」は、2019年の新たなアンセムになった。

次々とワンマンライブをソールドアウトさせ、グループ名をukkaに変えて2020年さらに上を目指す彼女たちを応援し続けたい。

4位 音nanoco/Fullfull Pocket


Fullfull Pocket「音nanoco」LIVE ver.


メンバーを替えながらも、正統派アイドルグループとして活動を続けているFullfull Pocket。

4人体制となった今年もシングルCDをリリースし、どの曲も粒揃いだったが、中でも「音nanoco」(おんなのこ)は、音楽で自己表現をする女の子を歌ってるある意味で「自分たちを表現」している曲。

サウンドプロデューサーのTDこと多田慎也の曲作りのクオリティの高さだけでなく、それを自らのものとして体現してライブで観客を楽しませるメンバーももっと評価されるべきグループ。

5位 センシティブサイン/RYUTist


RYUTist - センシティブサイン【Official Video】


「アイドル楽曲」というよりは、今や「良質なポップス」を世に出すグループになった感のあるRYUTist

心地よい耳障りのハーモニー、清楚で心洗われるダンス、どこからどう見ても「総合芸術」の領域に達しているというべきかもしれない。

新潟の先輩Negiccoのような息の長いグループになっていくのかどうか、このあたりが試金石になっていく気がする。

アルバム部門

1位 World Fragment Tour/sora tob sakana


sora tob sakana/World Fragment Tour(全曲試聴)


「オサカナっぽい曲」という形容が普通に語られるようになり、他のアイドルグループにも影響を与えているいまのsora tob sakana

かつては「ジュブナイル的」とも称された世界観だが、現実離れした<幻想><虚構>の雰囲気を残しつつ、楽曲のメッセージはメンバーの成長とともに変化を遂げている。

風間玲マライカが在籍した4人時代の最後にリリースされたアルバム『World Fragment Tour』には、そんな「最新型のオサカナ」のサウンドの全てが詰まっている。

メジャーデビューするとインディーズ時代とは違って「つまらない」作品が増える事例もあるが、sora tob sakanaの場合にはむしろ「前衛的」「実験的」「意欲的」な挑戦を感じる曲が増えた。

この先もフロンティアであり続けて欲しい、と願わざるを得ないそんなアルバム。

2位 daydream/tipToe.


tipToe. - The Curtain Rises Music Video


「在籍は3年まで」というtipToe.ルールにより、日野あみ以外のメンバーの「卒業」が目前に迫ったtipToe.の最新アルバム。

一枚ごとに手触りを変えてきた彼女たちの最終学年にふさわしく、音楽的にはバラエティに富んだ「集大成」的な一枚となった。

ドビュッシーをオマージュしたような耽美的な楽曲から、ビッグバンドでスウィングする多幸感溢れるナンバーまで。

「一緒に青春する」といっても、様々な青春があり得る、ということを感じさせる傑作。

3位 octave/桜エビ〜ず


桜エビ〜ず「おねがいよ」MV -New Album「octave」(8/21 release)-


昔から「桜エビ〜ず楽曲にハズレなし」と思っていた僕でも、「12カ月連続新曲リリース」は、ちょっと無茶じゃないかと心配していた。

しかし、それは杞憂に終わった。

出る曲出る曲本当にクオリティが高く、メンバーの頑張りに対して、良質な楽曲の発注で報いようとした運営(というか藤井校長)の愛情さえ感じられる1年間だった。

順次リリースした曲を一つにまとめたという性質のアルバムではあるが、勢いのある桜エビ〜ずの「今」を感じられる傑作に仕上がっている。

ライブの予習用にぜひ一家に一枚。

推し箱部門

アクアノート

2018年にデビューしたアクアノート 。

君ラジやリリバリと並んで「新世代トリオ」と呼ばれることもあるが、オリジナル楽曲をハイペースで出し続けるところはまさに楽曲派()御用達アイドル。

TDこと多田慎也による「アクアソニック」などの王道アイドルソングもある一方で、「夕立とアンチノミー」「雨垂れのポルカ」などアイドル離れした現代的なレパートリーもある。

メンバーがJC1〜JK1で全員かわいい、ワンピース衣装が清楚、ライブが楽しいなどといったところも魅力的ではあるが、アイドル楽曲大賞に参加するような意識の高いアイドルファンにこそ、このグループの楽曲が優れているという事実を伝えたい。


【アクアノート】5分でわかる!アクアノートBEST15曲



ということで、来年は2020年。

シーンも新しい局面に入る予感がするね。

浅草少女歌劇団 ローファーズハイ!!『LOAFERS HIGH The Musical ~9つの銅貨~』初日@浅草九劇

レプロエンタテインメントが手掛ける浅草少女歌劇団 ローファーズハイ!!

2018年にベイビーレイズJAPANが解散し、2019年に9nineが活動休止となった今では、レプロに所属する「次世代タレント」の少女達のグループとしては現在唯一のものと言えるかもしれない。

ローファーズハイ!!は、メンバーの在籍期間は最大2年間。メンバーの加入・卒業を繰り返しながら成長を続る、とされている。

彼女達のミュージカル『LOAFERS HIGH The Musical ~9つの銅貨~』の再演が始まると発表された。

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注目していた岩本知歩ちゃんがレギュラー出演すると知って、チケットを買い、初日の今日、浅草九劇に行ってきた。

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その岩本知歩の屈託のない影ナレに続き、オープニングから制服姿の少女達がタップダンスを踊る圧巻の展開。

よく通る歌声だけでなく、タップダンスの響きが、耳に心地よいうねりをもたらし、ステージの上のキラキラ輝きと合わさって、五感を刺激する総合芸術という感じ。

物語は「学校のタップダンス部」を舞台にして進んでいき、主役・準主役の出会いと対立、そして自分探し、友情、家族などへと膨らんでいく群像劇の様相を見せ、最後にタップダンスの大会でクライマックスを迎える。

思春期特有の不安や、ヒリヒリするような人間関係、そして響き合うものと出会った時の高揚感など、青春のドラマの全てがここにあるといっても過言ではない。

楽曲は、ミュージカル定番とも言えるソロ、デュエット、アンサンブルの要素をバランスよく備えていて、聴きどころ満載。

歌、ダンス、制服、笑い、涙、感動…僕が観たいもの全てがあった。

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各キャストについての感想を簡単に。

  • 1年生

デコピン=駒木根心捺(JC3):圧倒的な存在感。少女マンガの主人公のような「完璧ではないけれども誰よりも熱い人」という雰囲気もいい。

はなちゃん=中島萌望(JC3):控えめな後輩という本来の役どころに加えて、ナレーション的な説明的なセリフを完璧に担っている。

  • 2年生

のどか=東郷姫奈(JC1):小柄だけれども大きな存在感。早くも「美人女優」の片鱗を感じさせる雰囲気を醸す。

かりん=岩本知歩(JC1):屈託のない笑顔に手足の長い体躯で、「少女感」ナンバーワン。終始自然な演技で、リアリティがあった。

すーちゃん=唯藤絵舞(JC1):外見は中一にして既に顔立ちが完成している「オトナ顔美少女」だが、岩本知歩との息のあったわちゃわちゃ感が楽しい。

  • 3年生

オジョー=山川愛理(JC2):ストイックで気高いオジョーはまさにハマり役。特に、バレエの美しさに目が釘付けになった。

ちゃんねー=紺谷美友(JC2):弾けるようなムードメーカー的な存在。表情も豊かでドラマの流れやうねりを生み出す重要な役を演じ切る。

さくらこ=菊地樹美(JC2):メガネが似合う「会計担当」のしっかり者でお茶目な一面も…という文化系大好きマンにはたまらない魅力が全開。
かえで=加藤子美月(JK1):内気な面と大胆な面のギャップに驚かされる振り幅の広い演技。ピアノ演奏も見所の一つ。

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ということで、舞台を通して観ると、それぞれのメンバーの個性を愛おしいと思うようになるね。

浅草少女歌劇団のミュージカルは、ステージの上で少女がキラキラしているという点では、アイドルのライブと共通点があると言えばあるけれども、「レス」とか「特典会」とか「認知」とか、そういうのを気にしなくていいところが、楽といえば楽かなと思う。

まあ、人によっては、それを「物足りない」と感じるのかもしれないけれども・・・

とりあえず、岩本知歩ちゃんと唯藤絵舞ちゃんのサイン入り写真、そして唯藤絵舞ちゃんのフォトブックを購入。

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そして、気付いたら「もう一度観たい」となっていて、来週のチケットも買っていた。

この内容で3000円(D代不要)は、ライブアイドルの公演と比べて、リーズナブルだとさえ思えるよね。

長原楓・知花ひより・秋月ことり「おいも屋ミニ撮影会」@新宿Barbie room

おいも屋ミニ撮影会に行ってきた。

初めていく撮影会で勝手が分からないところもあったが、メンバーもスタッフも参加者も和やかな雰囲気で、すっと撮影に入れた。

今日のモデルは、いもシス中部の「3ビーナ」。

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最年長は、”かえぽっぽ”こと長原楓ちゃん(JC2)。

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明るい雰囲気でトークも楽しい。

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次女的ポジションの知花ひよりちゃん(JC1)。

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おとなしくて端正な美少女という佇まい。

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最年少の秋月ことりちゃん(JS6)。

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子供っぽさの中にドキッとした瞬間を見せてくれる。

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「3ビーナ」は、それぞれがポートレート映えするモデルだけれども、3人一緒の時のわちゃわちゃした雰囲気もいい。

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スタジオにはRIFAが4灯用意されていて、今回は自前のフラッシュを使う必要はなかった。

複数のフォトグラファーで「囲み」で撮る撮影会だけれども、ポーズしても融通が利いて、快適な人数で相互に譲り合う感じなので、かなり「順撮り」に近い感じで撮れた。

今回は他の予定もあって「全三部のうち第一部のみ」という参加になったけれども、衣装が各部で変わって、最後の部の後に特典会があるそう。

次は、来月リリバリの尾野寺みさ宮丸くるみ・西村津希乃の撮影に申し込んでいるので、全三部通しで撮影予定。

楽しみ!


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