Negiccoが12月発売予定の新曲でミュージックカードを導入

ミュージックカードは通常500円位で発売される音楽ダウンロード商品。オリコンのランキング上位を目指すアイドルグループで用いられることが多い。いわばブースターだ。

Negiccoは前作「サンシャイン日本海」で「オリコンTOP10」を掲げたが、結果は11位ということで惜しくも届かなかった。

そのときに、僕は「もしNegiccoオリコンTOP10を目指すなら」という前提で、いくつか提言をしたは、その一つがミュージックカードの導入だった(Negicco「サンシャイン日本海」オリコンウィークリー11位 - SHARPのアンシャープ日記)。

ちなみに、僕自身は「オリコンTOP10」を目指すべきとは全く思わないが、Negiccoの活動継続にもそろそろ結果が求められているのだろうと理解している。

前回が11位となった上でのミュージックカードの導入。「NegiccoのレーベルのTパレットは、タワーレコードの店舗を持っているのだから、ダウンロード商品は取り扱わない」というまことしやかな説も聞いたが、蓋を開けてみれば、あっさりと導入にこぎつけた。

さて、ではこのミュージックカードの導入はNegiccoオリコンTOP10をもたらすか。

現時点では予断を許さないとしかいいようがない。

最初の理由は、競合相手がまだ分からないから。販売枚数は絶対的なものだが、順位というのは相対的なものだ。そして、アイドル同士の戦いになれば、競合もこのミュージックカードを使ってくる可能性が高い(もちろん、すべてのアイドルが使っているわけではない)。

二番目は、カードの種類が少ないこと。Negiccoが発行するのは4種類。メンバー別3種類と全員が1種類。これは少ないように見える。他のアイドルには、70種類を超えるカードを発行しているケースもあった。これをコンプリートするためにファンは「積む」。4種類だけでは、ヲタクのコンプリート欲を煽って枚数の増やすことにはつながりにくい。

三番目は、リリイベの日程が不透明なこと。前作ではリリイベ期間が短く、最もセールスで追い込みをかけるべき最終日曜日に東京にいなかった。理想は、時間をかけて広域(含む名阪)で予約イベントを行い、最終の土日は、不特定多数の人が集まれる首都圏のオープンスペースを確保して、そこで「お祭り」の状態を生み出して、ファン以外の一見のお客さんも呼び込む。これができるかどうか分からない。

最後は、メンバーもファンも、このミュージックカード導入の「意味」を共有していないように見えること。重要な告知が往々に本人達に知らされる前に世に出ることの目立つNegiccoだが、情報解禁当日のTwitterでのミュージックカードを巡るメンバーとファンとのやりとりは牧歌的であったし、当日夜に放送されたラジオでも明確な言及はなかった。

TOP10を目指すために遠征費の予算も回してミュージックカードを買うくらいの覚悟で運営もファンも団結しないと意味がないと思われるが、どうもそういうスケジュールにもなっていないし、そういう意識にもなっていない。

ミュージックカードはコアなファンが買わなければ、まず売れないわけで、どこまで買えるか、積めるかで勝負が決まる。

以下、どのくらい積めばいいのかをざっくりと試算してみる。

今作がTOP10に入るのに必要な販売枚数を12,000枚と置くと、前作から+3,000枚。前作のブースト分をざっくりと3,000枚とみなすと、新曲では6,000枚のブーストが必要と見積もれる。

NegiccoのCDを複数買いするコアなファンの数は、ライブの動員数から500名と見積もる。すると、単純平均で一人当たり12枚のブースト購入が必要となる。

ブースト12枚。単価1500円の限定版CDなら18,000円。でも、単価500円のミュージックカードなら6,000円。

財布に優しく、鞄に優しく、CDラックにも優しい魔法の品物。どこまで積む覚悟があるか、ということだが、どうなるだろうか。