「アイドル」で「撮影」というと、ライブ撮影と2ショットチェキが主流。
しかし、ここ数年、「メンバーをカメラで個人撮影する」という特典会やイベントが増えてきている。
ポートレート好きのカメラマンがアイドル現場に行ったり、アイドルファンが「推し」を撮るためにカメラを買ったり…
自分の好きなアイドルが、自分のためだけにポーズや表情を決めてくれる。それをまるで写真集やグラビアのように残せるというのは、とても満足の得られる体験だ。
そんなトレンドをタイムリーに捉えた企画が、プロカメラマンの青山裕企と、新進気鋭のアイドルグループ・アクアノートのコラボで開催された。
場所は、JR板橋駅から近いスタジオ・カプリ板橋。
イベントは、「撮影(第一部)→青山裕企による講義→撮影(第二部)→青山裕企による実演見学→撮影(第三部)」という順で進行。
撮影会(第一部)(11:05-11:50)(逢嶋ひな〜美波ももか)
入場時に参加者30名を4チームに分け、それぞれのチームごとにモデル・部屋を割り当てられたところで撮影開始。
僕のグループは、最初は、大きな窓から自然光の差し込むリビングで、逢嶋ひなちゃんを。
自然光が白いインテリアに反射して回り込む。
ひなちゃんかわいい。
撮影は各自1分の「順撮り」のターンを4周(モデル2人の部は2周)するという構成。
「囲み」で撮るよりずっと撮りやすい。
ちなみにカメラは、FUJIFILMのコンデジX100Fを使用した。
23mm F2の単焦点(画角はフルサイズ換算で35mm)。
足を使って寄ったり引いたりできるハウススタジオなら、これで十分。
次に、最上階に上がって、吹き抜け脇の回廊で美波ももかちゃんを撮影。
スタイルの良さが引き立つ。
ここも、光がよく回っていい感じ。
青山裕企による講義(11:50-12:10)
青山裕企さんはテーマを前面に出した作品をいくつも出していて、アイドルの写真集も多い。
僕が一番好きなのは、生駒里奈さんを撮った『君の足跡』。
ノスタルジックで「青春」へのこだわりの強く感じられる作品。
そんな青山さんが今回の講義で教えてくれたのは、主に以下のような内容。
・「光」が一番大事。撮りたい場所で、自分の手のひらを広げてみて、色や明るさを見る。
・会話と指示のバランス。会話で雰囲気を作りながら、指示で自分のイメージに近づける。
・直立のポーズは緊張しやすい。壁にもたれ掛けさせる、座らせる、時にジャンプさせる。
・表情をほぐすための会話は大切。褒める。服を褒めるのも効果的。
こんな感じ。
語り口にもユーモアがあって、ときに爆笑も起きた。
青山さんは「アイドルの撮り方」に関する本を出版予定ということで、詳細はそちらの方で。
第二部(11:50-12:35)(夢咲摩萌)
次は10階で夢咲摩萌ちゃんを撮影。
女の子の部屋風のインテリアに、普段着っぽい衣装で、プライベート感半端ない。
「お部屋訪問」的な感じで。
青山裕企による実演見学(12:40-13:10)
ここで青山裕企さんから、先ほどの講義を元に撮影の実演。
プロカメラマンがモデルを撮る現場を見られるのは本当に貴重な機会。
雑談をして緊張をほぐしたり、イメージを伝えたりするのに、かなり時間を割いている。
シャッターを切るのはむしろ少なめ。
「1分で1枚いいカットが撮れればいい」
「1時間で20カットくらい、いろんなバリエーションでいいカットが撮れればもうプロ」
とのこと。
参加者はそんなお話を聞きながら、プロの撮るモデルを脇撮り。
これだけでもかなりの価値だ。
撮影(第三部)(13:10-13:55)(佐山すずか)
そして、自分のいたグループの最後の撮影は、佐山すずかちゃん。
親しみやすい雰囲気のさやすず。
もっと違う表情も見たくなって、カメラをX100FからX-T2 + XF56mm F1.2Rに持ち替える。
初対面なのに撮影に夢中になって自己紹介も忘れてしまった。
この後のさやすず個人撮影も申し込んでいたが、そっちの方は抽選の結果落選。ということで残念ながら今日はここまで。
イベントは予定時間を40分以上押して終了。
時間:11時〜14時
場所:カプリ板橋(ハウススタジオ)
参加者:30名
参加費:5000円
講師:青山裕企
講義・実演:講義20分、実演見学30分
モデル:アクアノート(逢嶋ひな、美波ももか、夢咲摩萌、佐山すずか)
個人撮影:モデル4名・合計12分(1分×12回)
申し込み開始直後にほぼ瞬殺になったのもうなずける。
「アイドルを個人撮影したい」という今のニーズをうまく捉えた企画だった。
行けて良かったな。