ハナエ1stワンマンライブ ~ハナエの十戒~@原宿アストロホール

あの頃の僕らはいつも原宿あたり風を切って歩いていたけど、いまはなんだかアウェイ感。でも、そんなアウェイは気にせず、表参道の坂道の雪を踏みしめながら、ハナエ1stワンマンの会場になっている原宿アストロホールに向かった。

開場前の列に並んでいると若い女性ファンの多さが目立つ。それもみんなお洒落。TVカメラなんかも取材に来ていたりして、始まる前から明らかにキテル感。2/9のZIP!で放送されるらしい。

今日のチケットは一般販売分が即日ソールドアウトしただけあって、アストロホールは満杯。開演前にはハナエ自身の声によるアナウンスが流れる。撮影録音禁止の他に「場内は禁煙、っていうかタバコはやめましょう」的なのも入っていて癒される間もなく開演。

幕にハナエのシルエットが映る。場内から歓声。「神様はじめました」のイントロが流れて、幕が上がると、赤い傘を持ったハナエの姿が目の前に。この瞬間を待っていたとばかりに、観客が一斉に赤いサイリウムを点灯させる。

ハナエの衣装は、黒と赤を基調にしたもの。黒いTシャツの胸に赤いハート。赤いスカートに黒のガーターストッキング。頭には赤い唇のリボン。ステージのセットも風船とかソファとか赤系で統一されていて、まさにハナエワールド。

そこから「Boys&Girls」へ。これは「そのときUFOが」とハナエが歌ったあとに、「ユーフォー!」とコールを送る楽しい曲。会場がさらに盛り上がる。

MCになり、今日のワンマンにかける意気込みを話す。むかしは「雨女」だったのが去年の後半からはそうでもなくなってきたのに、ファーストワンマンの前の日がやっぱり何十年ぶりの大雪でと苦笑。雪で交通手段が乱れたことで来られなくなるファンを気遣う発言もあった。

続いて「恋は神聖ローマ」「oui_oui」「渚のシンドバット」と幻想的なナンバーへ。このあたりから照明がやや暗めになり、スモークの効果と相まって、まるで夢の中のような雰囲気に。「oui oui」の深いエコーに身を委ねるとまるでどこか別の世界に行けそう。そして「渚のシンドバッド」のアレンジに酔う。

MCを挟んで「神様おねがい」と「BLACK BERRY」。これは最近のライブの中ではレアなセトリではないかと思う。

続いて四つ打ち的なビートをバックにハナエのMCタイム。「男子!」「YEAH!」「女子!」「YEAH!」のコールアンドレスポンスも入ってハナエ嬢ノリノリ。「楽しー!」って。もっとやりたいといって「眼鏡!」「コンタクト!」「裸眼!」とか「ぼっち!」「中二病!」とかやって、「いいんだよ、私もぼっちで中二病だから(笑)」とか語っていて盛り上がる。

その盛り上がりのまま「疾走感」「JUVENILE!!!!」そして「キストピックス」「変幻ジーザス」と「十戒クイズ」のナンバーから畳みかけるような攻勢。「変幻ジーザス」の最後の歌詞「どうもありがとう」の後、「どうもありがとう」という言葉を残して退場。

アンコールを求めるファンのコールが始まる。「アンコール!アンコール!」ではなく、事前に打ち合わせをした通り「ハナエ!ハナエ!」で。でも、ステージではキーボードがセットされたりということもあり、なかなか出てこない。

いつの間にかコールは、「ハナエ!ちゃん!ハナエ!ちゃん!」になり、しまいには「ハナエ!姫!ハナエ!姫!」に。そこでようやくハナエ登場!弾き語り用のキーボードの椅子におもむろに座ってファンに向かって一言。「姫じゃなくて嬢がいいな」。まさに姫だった瞬間。

弾き語りで「バースデイソング」を披露。弾いているローランドのJUNO-Dのキーボードはずっと愛用しているもので、レコード会社にデモテープを送ったのもこのキーボードで演奏した曲だということ。

そこから、ハナエの自分語りタイム。こんな声だから何も考えていないとか言われたりもするけど、ファンなら分かっていると思うけど、貪欲で負けず嫌い。だから、ハナエの音楽をもっと多くの人に知ってほしいし、ファンの人と一緒に違う景色も見てみたい。さらに上を目指したい。ついてきてくれますか。ハナエの目に涙。ファンの目にも涙。

という流れの後で、次回のワンマンライブが5/1に渋谷WWWで開催されると発表される。しかも生バンド。これは聴きたいと思わされる。

最後に「かのような」をしっとりと歌い上げてライブ終了。終了後のアナウンスもハナエの肉声だった。

今日は最初から最後の時間まで、また、衣装の小物からステージの大道具まで、完全にハナエ色に染まった素晴らしいもの。アストロホールのタイトな感じもプラス方向に働いていいライブだった。ファーストワンマンとしては一点の曇りもなく「大成功だった」と言えるだろう。

ただ、ハナエの想像力や表現力はこのハコには収まり切れないだろうというようにも感じたし、このファンの多さや熱気を思えば、次はもっと大きいハコで観たいと思うのは必然。そして、生バンドならまた独特のグルーヴを味わえる。次回のワンマンがますます楽しみになった。

ハナエチェキ。今日のファーストワンマンの大切な記念。
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