経営不振のソニーが、新しい経営陣の下でようやく具体的なリストラ策を発表した。
テレビ事業の不振に苦しむソニーは２２日、世界全体でグループの人員を２００７年度末までに１万人削減することを柱とした経営再生策を発表した。
世界の６５製造拠点のうち１１カ所閉鎖し５４カ所へ再編、０７年度末までに２０００億円コストを削減する。不要な不動産や株式など１２００億円分も売却。部門ごとの独立性が高い「カンパニー制」を廃止し社内の連携を強化する。
リストラ費用がかさみ、０６年３月期の連結純損益は１９９５年３月期以来、１１年ぶりに赤字に転落する見通しだ。
一連の再生策によって、本業のエレクトロニクス事業に回帰し、抜本的な立て直しを図ることでテレビ、音響機器など戦略部門で首位を目指す。前経営陣の高級ブランド路線は縮小。０８年３月期連結決算では、現在７兆円強の売上高を８兆円とする目標を掲げた。
遅い。遅すぎる。経営陣が変わったのは3月のことで、計画が出てくるまでに6ヶ月（2005-03-09 - Sharpのアンシャープ日記を参照）。グローバルに展開している大企業だから仕方ないかもしれないが、いまの市場では6ヶ月は致命傷を被るのは十分過ぎる時間だ。
今回のリストラ策は、ソニーが復活する道に続く第一歩だと思う。だが、内容的には、相変わらず金融事業へ執着するなど、全体的には不十分な印象が拭えない。
それにしても、机に座った３人のオジサンがニヤニヤしながら製品掲げるなんて、こんな方法で自社製品をアピールするのがSONYブランドのイメージにどういう影響を与えるのかというところに神経が及ばないようでは、まだまだだなと思う。
市場の信頼を得る企業になるかどうかを見極めるには、まだまだ時間が必要だろう。
