石原都知事は謝罪すべきポイントが違っている

新銀行東京の問題は、3月9日付エントリ(id:SHARP:20080309)で懸念した通り、迷走を続けている。

追加出資を引き出すためのポーズだろうけれども、石原都知事が謝罪。ただ「都の監視責任は私にある」ってそんなところが問題なのではない。収益の上げられない企業を強引に創設した責任が問われているのだ。

間違ったビジネスモデルの下では、どんなに優秀な経営者でも収益を上げることはできない。ましてどんなに経営者を監視して入れ替えようとも、事態は悪化するばかりである。

現時点で新銀行東京に対して追加出資をするのは姑息な手段でしかなく、問題の先送りであったことが後日証明されるだろう。

石原知事が謝罪 都が400億円の積算根拠を説明 26日に委員会採決
2008.3.25 23:12

このニュースのトピックス:東京都政
 東京都が出資して設立し、多額の累積赤字を抱えている新銀行東京への追加出資案をめぐり、石原慎太郎知事は25日、都議会予算特別委員会の締めくくり総括質疑で、追加出資を求める事態となったことについて「(最大株主としての)都の監視責任は最終的に私にある。都民のみなさまにご心配をかけたことは大変申し訳なく、深くおわび申し上げます」と公の場で初めて謝罪した。追加出資案は自民、公明両党が監視組織の整備などを条件に賛成する方向で、26日の委員会採決で可決される見通し。

 審議では、「知事は失敗の責任を他人に押し付ける裸の王様」との民主の批判に、石原知事は「何を言っているか分からない」と反論。民主が「助けを求めたのが新銀行以外の金融機関だったら追加出資するのか。イエスかノーで返答を」と迫ると「ノー」と切り捨てた。

 中小企業向けに5%前後の利息で融資を進め黒字化を図るとした再建計画について、公明が「利率が高すぎ、他行との競争に勝てるのか」と質問すると、都側は「達成できる」と答弁。「(追加出資の)400億円が本当に必要か」との質問にも、金利や株価の変動による損失への備えなどを積み上げたもので必要な額と説明した。