大学のレポート評価まとめ(第八回・最終回)

大学に提出したレポートがすべて評価され合格したので、結果を簡単にまとめておく。
次に「科目試験」に合格すれば「単位取得」になる。頑張ろう。

評価結果

  • A評価:17
  • B評価:5
  • C評価:0
  • D評価:0

各科目のコメントは以下の通り。

必修科目

博物館概論

第1分冊:A

よく検討されている。Ⅱ.4で倫理面についても考察している点は良い。なお、これについてはICOMの職業倫理規程も参照してみると良い。参考にしたサイトにも収録されている。
Ⅱ.4の1行目、ICOM規約における博物館の定義が現行のもの改定されたのは、2022年である。
Ⅲの、学芸員に求められる役割・専門性に関し、Ⅱ.2にいう実践的技術とはどのようなものかについても、考えてみてもらいたい。
参考文献欄で、参考にしたサイトとして上げられているのは、ICOMの本部(フランス)のものではなく、ICOM日本委員会のものであろう。なお、インターネット上の情報を註記する際は、アドレスに加え、アクセス日も註記すること。

ICOM、しっかり勉強したい。
あとは、参考にしたインターネットのサイトの記載の正確性と参照日も精度を上げたい。

第2分冊:B

全体として章立てが明確で、「現代社会が博物館に求める役割」とその対応を整理して論じている点は評価できます。論理の流れも分かりやすく、学術レポートとしての体裁はよく整っています。また、自身の経験に基づく具体例を取り入れている点も適切です。
一方で、本課題の中心である「学びの場としての博物館とは何か」という点については、やや一般的な機能説明にとどまっており、それによってどのような学びが成立するのかという掘り下げが不足しています。「市民がどのように活用するか」についても具体性があればさらに良かったでしょう。

なるほど。確かに「市民がどう学ぶか」という視点は、普通の一市民でしかない自分には弱い視点かもしれない。

博物館資料論

第1分冊:A

対象施設:国立科学博物館

課題の意図を理解して、丁寧にまとめられています。
具体的な展示例について、得た情報や知識を記述することに加えて、自身も学芸員の立場となって考察しそれを文章で伝えられるようになると、さらに充実した内容になると思います。
資料ごとに持つ特性やその情報を、実際の展示でどのように見(魅)せるか、見学者へのアプローチはどうするか、学芸員の腕の見せ所でもあり、さまざまな方面と折り合いをつけなければならない難しい部分でもあります。
これからの学修も広い視野をもって深め、社会に還元されていかれることを期待しています。

第2分冊:A

対象施設:アーティゾン美術館

展示における資料情報の読み取りや、写真・画像資料の機能について、構造的に整理された内容であり、学芸員による資料解釈と展示化の関係についても理解が見られます。
一方で、展示空間における具体的な配置や来館者の体験との結びつきについては、やや抽象的な記述にとどまっています。今後は、実際の展示の中での具体的な観察に基づき、写真・画像資料がどの位置に配置され、どのように視線誘導や理解の補助として機能していたのかといった点まで踏み込んで分析することで、さらに完成度の高い考察となるでしょう。

もう一歩踏み込んで具体的に書けるように精進します、という感じのありがたいフィードバック。

博物館資料保存論

第1分冊:A

良くまとめられていると感じました。今後の参考になればというコメントを入れさせていただきましたので、添付を参照ください。

第2分冊:D→B

再考いただきありがとうございます。興味深く読ませていただきました。コメントを入れさせていただきましたので、参考になればと思います。

ちゃんとコメントで添削してくれたり、ダメ出しをして再提出をさせてくれるの本当にありがたい。

博物館展示論

第1分冊:A

 博物館には、収集・保存(保管)・調査研究・展示・教育普及という役割があります。ほとんどの館には収蔵品(コレクション)が存在し、それらをどのように保存し活用(調査・展示・教育普及)するのかという視点で活動がおこなわれています。
 博物館資料を展示・公開し、教育的資源として効果的に活用するためには、利用者が鑑賞や観察をとおして、その価値や意義、魅力などを十分に理解・確認できるような快適な環境を提供することが求められます。
 一方で、展示は資料保存の観点でみると決して好ましいことではないという一面もあります。資料のなかには光や空気環境・温湿度の変化、振動などに敏感なものもあるからです。また盗難や火災、観覧者の接触などによるき損のリスクも発生します。
 保存の観点から資料への配慮を忘れず、博物館の建物やその機構の制約をうけながら、利用者によい鑑賞の場を供することが、学芸員の業務です。こうした工夫に気づくと博物館の展示に対する理解は深まるでしょう。
 本レポートは、東京国立近代美術館の企画展「アンチ・アクション―彼女たち、それぞれの応答と挑戦」でおこなわれている、来館者の鑑賞・観察と理解を効果的に促す工夫にかんすることおよび課題点など、よく見学・調査がなされています。
 引き続き、多くの博物館、美術館などに足を運び、展示資料の鑑賞・観察を楽しみながら、展示の場における配慮や工夫について見学・調査をすることで、理想的な展示のあり方についての理解と考察につとめてください。

第2分冊:A

 博物館の展示は「もの」である資料を用いてメッセージを発信する行為です。資料は多くの情報をもっていますが、自ら語ることは多くありません。博物館の展示では、資料のもつ多くの情報のなかから展示のテーマに沿った情報を選び、確実にメッセージを届けるために、さまざまなメディアや人による展示解説がおこなわれています。展示解説では、資料がもつ情報をわかりやすく伝えるとともに、来館者の知的好奇心を喚起する工夫が必要です。
 本レポートでは、国立科学博物館の特別展「大絶滅展―生命史のビッグファイブ」でおこなわれていた各種の展示解説について、的確に分析・評価がなされています。同展で提供されていた音声ガイドやYoutubeで公開されている解説動画などにも言及したうえで、来館者の鑑賞・観察と理解を促す効果的な展示解説のあり方についてのより多角的かつ具体的な考察を試みると、より充実した内容のレポートになったように思います。
 引き続き、さまざまな展覧会や博物館、美術館などに積極的に足を運び、展示資料の鑑賞・観察とともに、展示解説の構成、方法などについて見学・調査をすることで、展示における解説の役割やその理想的なあり方についての理解と考察につとめてください。

応援メッセージとも言える熱いフィードバックに感動した。

博物館情報・メディア論

第1分冊:A

提出のレポートは,メディアの定義や視聴覚メディアの特性をテキストに基づいて丁寧に説明し,一貫した論旨の中で述べられておりました.
自身の経験を手がかりとして博物館活動との関連にも目を向けており,課題の目的を理解して,取り組まれたことが読み取れました

抽象論に終わらず、自身の体験を入れるのは大事だね。

第2分冊:A

提出のレポートは,レポート作成にあたっての留意事項に示された基本的要件を概ね満たしていました.
そして,導入映像,タッチパネル,音声ガイド,QR連携,オンラインコンテンツなどについて具体的に言及しながら,展示全体の中での役割や効果,改善点まで述べられていました.
考察では,例えば111行目の「どのような情報が、どのメディアを通じて、どのように伝えられているか」という記述は,メディア・リテラシーに関わる重要な観点として読むことができますが,その論拠が十分には示されていませんでした.この点を明確に位置づけて考察することで,評価の観点である「自身の考えを根拠となるテキストや指導書の引用・情報を示して述べているか」および「テキストや指導書の学修をもとに、博物館情報やメディアについて正しく理解しているか」を,十分に満たす内容になるでしょう.

論拠を十分に示す、これを意識しよう。

博物館教育論

第1分冊:A

テキストを読み、簡潔に纏めたレポートになっています。テキスト以外の関連書籍も参考にしており、学修への意欲があります。可能ならば、もう少しトピックを纏めて、2~3の段落でレポートを仕上げるようにして下さい。短文を纏めた段落は、重厚感に欠ける印象をもちます。

第2分冊:A

もう一つのレポートと同じように、段落を2~3に纏めた方がレポートがしまります。テキストを読みこみ、関係書籍も参考にするなど着実に学修を進めている印象を受けます。

確かに2000~2400字のレポートで7~9の段落で書いていたから細かく刻みすぎ…ご指導ありがたい。

博物館経営論

第1分冊:A

 P.ラングランが提唱した生涯教育の概念は、学習者を主体に据えた生涯学習として普及しており、その推進は、さまざまな組織や機関によってなされています。なかでも地域の学びの拠点である博物館のような社会教育機関が果たす役割は大きいものがあり、各地の博物館は、人々の自己実現・充実・向上・啓発のために、生涯を通して主体的に学ぶことのできる場としての役割をもって、積極的な活動に取り組もうとしています。
 しかし、博物館をとりまく状況は厳しく、組織、財政、人員などのさまざまな面で、多くの問題や課題があるのが実情です。本レポートは、博物館がそうした生涯学習の拠点としての役割を果たしていくうえで、現在どのような問題や課題があり、それらを克服するためにどのような取り組みが必要であるかが的確に論じられています。博物館がかかえる問題や課題についてのより総合的かつ具体的な理解につとめ、それらの問題や課題がどのような要因によって引き起こされているのかをもう少し丁寧に論証したうえで、それらを克服するために必要な取り組みについて、より多角的な考察を試みると、より充実した内容のレポートになったように思います。
 さまざまな問題や課題をかかえる各地の博物館が、実際にどのような取り組みをおこなうことで、生涯学習拠点としての博物館のあるべき姿を模索しているのか、それらの取り組みをおこなうための人材や財源などをどのように確保しようと試みているのか、どのように利用者のニーズを把握し、地域社会との双方向的な関係を構築しようと試みているのか、そうした取り組みのなかで学芸員がどのような役割を果たしていくべきなのかなどについて、引き続き学習と考察に取り組み、博物館をとりまく状況や博物館と生涯学習とのかかわりなどについてのより深い理解につとめてください。

第2分冊:A

 博物館の基本的で変わらないサービスとは、資料の収集、保管、調査・研究、展示、教育という博物館の基本的な機能や活動のことであり、そのうちのひとつでも欠ければ博物館としての要件を満たすことはできません。そのため、機能に関連した活動(サービス)は、博物館がおこなう基本的で変わらないサービスとして恒常的にその提供が求められます。そして、この基本的な機能や活動に加え、来館者が快適に利用し、満足を得るためのさまざまな行為や利便性の向上、設備施設の充実なども博物館の基本的で変わらないサービスといえるでしょう。
 いっぽう、博物館資源を利用した新たなサービスとは、ヒト、モノ、カネ、情報などの博物館資源を活用した基本的なサービス以外の取り組みであり、博物館資源をもとに人々が博物館に親しみ、その魅力を堪能できるようなサービスの提供も現在の博物館においては必要不可欠な活動になっています。
 本レポートは、そうした博物館におけるサービスについての理解をふまえ、博物館が基本的で変わらないサービスを基盤としながら、博物館資源を活用した新しいサービスの提供にどのように取り組んでいくべきかについて的確に論じられています。新しいサービスの内容と提供のあり方をより具体的に論じるとともに、各種の魅力的なサービスを安定的に提供していくうえでの課題とそれらの解決策について、より詳細な検討を試みると、より充実した内容のレポートになったように思います。
 各地の博物館が基本的で変わらないサービスを基盤としながら、博物館資源を活用した新たなサービスの提供にどのように取り組んでいるのかをさらに詳しく調べ、それらのサービスを通じて、どのように利用者や収益の増加をはかっていくべきなのか、それらのサービスを利用者のより深い鑑賞や理解に結びつけていくためにはどのような工夫が必要なのか、そうした取り組みのなかで学芸員がどのような役割を果たしていくべきなのかなどの課題について、引き続き学習と考察に取り組み、博物館におけるサービスのあり方や今後の展開の方向性などについてのより深い理解につとめてください。

「もっと理解が深められる」というご指摘ありがたい。その通りだな。丁寧なコメントにも感謝。

生涯学習概論

第1分冊:A

<引用について>
・共著であっても、論者を明確にすることは重要です。
 『生涯学習概論』の各章担当は、巻末の「執筆者紹介」に記載されています。

<全体として>
 ラングランの生涯教育論を起点に、生涯学習と社会教育の関係を掘り下げ、ご経験や「地域学校協働活動」という社会的な仕組を例示しながら考察されておりよく書けています。
 なお、2006年の教育基本法の改正に伴い、社会教育法・博物館法・図書館法において、「社会教育における学習の機会を利用して行った学習の成果を活用して行う教育活動その他の活動の機会を提供し、及びその提供を奨励すること」が位置づけられ、ボランティア等を通して生涯学習の成果の還元が目指されていることは押さえておくとよいでしょう。

形式と内容を分けて指摘してくれるのありがたい。

第2分冊:A

テキスト学修に基づく考えが、論理的にしっかりとまとめられていると思います。

1.成人学習者の特徴と学習ニーズ の、最初の2文の段落も付けておいてください。 
L.56にも注を付けた方が良いです。

この調子で頑張ってください。

形式的に整える余地を残したまま提出してしまった。内容で評価は頂いたが、これからよく気を付けよう。

選択科目

自然科学史

第1分冊:A

各章ごとにコンパクトにまとまっています。読みやすいと思います。
近代の自然哲学は、実験・観測によって得られたデータを数学的に分析することで法則性を見出す「定量的研究」にその特徴があります。実験・観測のための機器の発達、数学の発展が重要な役割を果たした、といえるでしょう。

第2分冊:A

全体に良い感じにまとまっています。
19世紀になると、科学と技術の関係は明確に認識され、科学は職業の一つとして認知されるようになり、また科学の教育も普及してきました(科学の制度化)。
20世紀には、科学・技術は産業・軍事の面から国家にとって必要不可欠であると認識され、国家が積極的に研究に介入するようにもなってきました(科学の体制化)。
現代では、科学・技術は人類共通の知財であると認識される一方、知的財産所有権の問題や国益なども絡んで、難しい面もあります。

近代哲学の本質である「定量的研究」、そして現在の「科学の制度化」「科学の体制化」というキーフレーズのご教示ありがたい。

日本美術史

第1分冊:B

日本美術の流れが簡潔かつ的確にまとめられています。
シラバスにも注記しましたが、作品特定のため、可能な限り所蔵機関を明記してください。
参考文献の提示においては、書名は『 』、論文名は「 」で括るのが通例です。

第2分冊:B

日本美術の流れが簡潔にまとめられています。
自分なりにトピックをまとめる意識が評価できます。
参考文献の提示において、書名は『 』、論文名は「 」で括るのが通例です。

こういう形式要件って大事だと改めて気付かされた。

西洋美術史

第1分冊:A

堅実なレポートでした。よく書けています。

第2分冊:B

堅実なレポートでした。