日常は終わらない〜『ラウンダバウト(3)』

渡辺ペコの『ラウンダバウト』が3巻をもって完結した。

ラウンダバウト 3 (クイーンズコミックス)

ラウンダバウト 3 (クイーンズコミックス)

主人公の真と彼女の友人・家族・先生等をめぐるこの日常には、劇的な「終わり」などない。でも、ちょっとした出来事はいつも起きているし、真も少しずつ成長したりする。それは「些細なこと」なのかもしれないが、人間が生きていく上で本当に「大切なこと」なんだと思う。

憧れの人との遭遇、転校するクラスメイトとの最後の日、将来に関する母親との対話…どの描写を取っても秀逸で、どこかしらリアリティを持っている。真がこれからどのような人生を生きるのかは読者の想像に委ねられているか、彼女らしく豊かな時間を過ごしていくに違いない。

自分が中学生の頃の甘酸っぱい気持ちを思い出させる作品だった。渡辺ペコ先生の次の作品にも期待したい。