今日のハヤカワ文庫さん(17作品目)

早川書房の「SF&ファンタジイ・フェア」(関連:2008-06-23 - coco's bloblog - Horror & SF)シリーズの最終決戦。早川さんと国生さんのガチンコ対決。

先攻は、早川さんの『宇宙船ビーグル号』。

宇宙船ビーグル号 (ハヤカワ文庫 SF 291)

宇宙船ビーグル号 (ハヤカワ文庫 SF 291)

巨大宇宙船に搭乗して航行する科学者集団らが、さまざまな異星人と広義の「戦い」を繰り広げるというもの。いまや古典的プロット。添付の早川さんのイラストのイメージに近い。「防護服と光線銃」*1、みたいな。ただ、この作品には女性は登場しない。

しかしながら、単なる「悪い宇宙人成敗モノ」とはなっていない。異星人の複雑な内面描写が丁寧にされていたり、当時としては斬新なアイデア(ただし映画『エイリアン』で有名になった)が使われていたりと、古典的でありながらも、読むべきところはある。いや、むしろSF者として押さえておくべき作品。

ただし、現在の基準で読むと陳腐化した感はぬぐえず、センス・オブ・ワンダーという点ではやや凡庸。採点としては、★★★☆☆。

これで早川さんのおすすめの5冊は全て読破。平均点は3.6点(5点満点中)。現在平均点3.5点の国生さんとのデッドヒートの行く末やいかに。

  • 早川さん(累計点=18点、平均点=3.60点)

★★★☆☆宇宙船ビーグル号 (ハヤカワ文庫 SF 291)(レビュー=id:SHARP:20080819)
★★★★★地球の長い午後 (ハヤカワ文庫 SF 224)(レビュー=id:SHARP:20080808)
★★★★☆夜の翼 (ハヤカワ文庫 SF 250)(レビュー=id:SHARP:20080818)
★★★★☆決定版 2001年宇宙の旅 (ハヤカワ文庫SF)(レビュー=id:SHARP:20080715)
★★☆☆☆火星年代記 (ハヤカワ文庫 NV 114)(レビュー=id:SHARP:20080703)

  • 国生さん(累計点=14点、平均点=3.50点)

★★★★★あなたの人生の物語 (ハヤカワ文庫SF)(レビュー=id:SHARP:20080731)
★★★★★祈りの海 (ハヤカワ文庫SF)(レビュー=id:SHARP:20080714)
★★★☆☆九百人のお祖母さん (ハヤカワ文庫SF)(レビュー=id:SHARP:20080815)
★☆☆☆☆レ・コスミコミケ (ハヤカワepi文庫)(レビュー=id:SHARP:20080801)

  • 岩波さん(累計点=11点、平均点=2.75点)(四巡目で脱落)

★★★★☆砂漠の惑星 (ハヤカワ文庫 SF 273)(レビュー=id:SHARP:20080523)
★★★☆☆バベル17 (ハヤカワ文庫 SF 248)(レビュー=id:SHARP:20080805)
★★☆☆☆ストーカー (ハヤカワ文庫 SF 504)(レビュー=id:SHARP:20080811)
★★☆☆☆ドゥームズデイ・ブック〈上〉 (ハヤカワ文庫SF) ドゥームズデイ・ブック〈下〉 (ハヤカワ文庫SF)(レビュー=id:SHARP:20080727)

  • 帆掛さん(累計点=8点、平均点=2.67点)(三巡目で脱落)

★★★☆☆きみの血を (ハヤカワ文庫NV)(レビュー=id:SHARP:20080717)
★★★☆☆ローズマリーの赤ちゃん (ハヤカワ文庫 NV 6)(レビュー=id:SHARP:20080708)
★★☆☆☆カーリーの歌 (ハヤカワ文庫NV―モダンホラー・セレクション)(レビュー=id:SHARP:20080803)

  • 富士見さん(累計点=1点、平均点=1.0点)(一巡目で脱落)

★☆☆☆☆たったひとつの冴えたやりかた (ハヤカワ文庫SF)(レビュー=id:SHARP:20080707)

*1:「セーラー服と機関銃」ではない