NewJeansの前回のファンミーティングは、一年前、ソウルのSKオリンピック ハンドボール競技場での開催。
自分は二泊三日のソウル渡航で参加したけれども、あのときの会場はざっと5,000人キャパ、そして今回は東京ドームということで50,000人キャパと1年で10倍。
それはそう。
去年はレコード大賞にもノミネートされ、NHKの紅白歌合戦にも出演した。
日本での人気はうなぎのぼり。
今月はついに日本デビューも果たしたわけで、50,000人キャパで2daysの開催でもチケットの入手が困難な状況。
自分は公式FC(Japan)、公式FC(Global)、それとH.I.Pプラチナム会員と手を尽くして何とか2日分のチケットを確保。
二日目はアリーナ最前エリアのPREMIUMを取ることができた。
FC特典。
そしてPREMIUM特典。こっちはかなり豪華。
グッズはミンジのウチワとフォトカードを購入。
さて、公演。
最初に250のDJがあって、そのあとメンバーが登場。
豪華な演出もあって、堂々とした姿に成長を感じ、感動を禁じ得ない。
今年の春になって、例のHYBEとミン・ヒジンのごたごたがあったり、へインの怪我による離脱があったりと、自分のテンションは下がりっぱなしだった。
だが、へインも揃った「完全体」のNewJeansは本当に眩しい。
そして場内の50,000人にもなろうとする観客たち。
文字通り老若男女という客層で、ほとんどの人が専用ペンライトを掲げる様子は壮観。
「ファンミーティング」と銘打たれてはいるが、よくあるゲームやバラエティ的な要素は少なめ。
そして、K-POPのイベントでしばしば活躍する日韓の同時通訳もなし。
割とがっつりライブを見せる感じ。
バンドセットがあり、ゲスト(初日はYOASOBI、二日目はリナ・サワヤマ)があり、コラボも。
自分的には昨年のような「ダンスバトル」がなかったのは寂しかったが、いまのへインの状況を考えればやむを得ないと納得できるもの。
一方で、今年はメンバーソロが充実していた。
ミンジはVaundy「踊り子」を女子高生の服装で歌い、思春期の内面を描き切った。
ハニの松田聖子「青い珊瑚礁」は、いま日本にはいなくなってしまった清純派ソロアイドルそのもので、最大級の歓声を呼び起こした。
普通のK-POPアイドルのカバーだとここで「かわいくてごめん」とか「私のいちばんかわいいところ」とかTikTok系やっておじさん置いてぼりだったりするけれども、さすがこの老若男女の客層を踏まえて狙いすましたような「ど真ん中」のカバー。
ミン・ヒジン、本当に凄い。
特に「青い珊瑚礁」は、ミン・ヒジンがハニに勧めたそうだけど、選曲・服装・歌い方・振付・所作すべてが完璧だった。
ここまでの反響を予想していたのだろうか。
もしミン・ヒジンにインタビューしたら「選曲した時点である程度の反応を期待し、リハーサルでのハニのパフォーマンスの出来栄えを観て成功を確信していましたが、本番のドームいっぱい響くコールは想像を超えたものでした」とか言いそう。
誰か聞いてほしい(笑)
二日目の終盤のMC、自らの一時離脱が胸中をよぎったと思われるへインが泣きだし、ファンからの大きな声援を受けたハニも涙ぐむというエモーショナルな場面も見られた。
NewJeansはデビュー時から日本では「SPEEDみたい」と言われたり、今回の日本デビューでは「SMAPを思わせる」と言われたり、韓国でもやっぱり昔の韓国アイドルを思い出すと言われたりしている。
あるいは、今回のような社会現象とも言えるようなムーブメントをもたらしていることが、2012年のももクロを彷彿とさせるという意見もあった。
確かに、プロデューサーのセンス、メンバーの努力、ファンの熱量、社会とのシンクロ…全部の歯車ががっちり噛み合って化学反応を起こすことが奇跡のように難しいというのはこの10数年のアイドルの栄枯盛衰の歴史が示している。
しかし、2020年代の東京ドームで「青い珊瑚礁」をソロで歌って「PPPハイ!PPPハイ!」のコールの渦を巻き起こすアイドルが出現するとは。
自分もやりながら「なんて楽しいんだろう!」とか「こういう体験をしたくてライブに通っているんじゃなかったか?!」と感動してしまった。
Newjeansとは何か?
と問われたら、自分なら「素敵で大切な音楽体験」を原型を生み出すグループ、と答えるかな。
若い人たちにはそれは純粋に新鮮な体験だし、経験を重ねた人たちには懐かしさを呼び起こしてくれる。
みんなそれを求めていた。
そこにNewjeansが現れた。
そういうことなんだろうな、と思わせる東京のファンミーティングだった。