大英博物館やルーブル美術館のギリシア・ローマのエリアを訪れると、当時の地中海文明やローマの芸術の豊穣さに驚かされる。
今回はポンペイ展。
火山の大噴火の結果として都市は滅んだが、逆説的に当時のものが保存されているというのは歴史の面白さ(と皮肉)を感じるところ。
当初は「宝探し」が動機だった遺跡発掘も、今は学術的な観点を重視したものに変わっており、展示自体も、宝飾品を単品で見せるというよりは、当日の社会や生活などの背景に関する探究心を満たすものになっていた。
古代エジプトだと猫が特殊な地位を占めているが、ポンペイ展では犬が大いにフィーチャーされていて、人気グッズになっているという対比も面白い。
2000年経って、テクノロジーが発展して、国家や社会の枠組みは変わっても、人間が生きるということの本質というのは案外変わらないのかもしれないと思わずにはいられなかった。