復元されたフェルメールの「窓辺で手紙を読む女」を観に東京都美術館へ。
「窓辺で手紙を読む女」は、背景となっている部屋の壁の下に消されていたキューピッドがあり、それがフェルメールが完成させた時のものだったということでを復元したもの。
だが、実際に観てみると、主題となる女性の存在感を霞ませるような饒舌さがあった。
また、手紙を読む女性の書き手からの「愛」をキューピットに託したということだがそれもあまりにベタで、作品としては下世話な類に入ってしまうようにも感じた。
ということで、復元したことで、かえってこれを消した人の意図もなんとなくわかる気がした。
フェルメールの作品は今回はこの一点のみで他は17世紀のオランダ絵画。
肖像画、静物画、風景画、そして若干の宗教画というお馴染みのモチーフ。
それらの古めかしい作品群と並べると、フェルメールの突出した近代性が浮かび上がる感じはした。