ダニエル・クレイグの007最新作『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』を観に行った。
(以下ネタバレ)
最新作にして最終作。
前4作の人間関係や行動が伏線となってここに至っている文字通り「集大成」。
冷戦もとっくに終わった今、イギリスの敵はバイオ兵器で世界を変革しようとするテロリスト集団。
コロナ前の映画だが、ウィルス兵器がかつての核兵器に匹敵する重みをもつものになっている。
敵役のラミ・マレックはやや線が細い印象だが、言葉でメンタルを操ろうとする頭脳派ヴィラン。
最後にボンドに決定的な一撃を与えて印象を残した。
ボンドガールを演じたアナ・デ・アルマス。『ブレードランナー2049』のジョイ役の時のチャーミングな雰囲気を残しながらも、アクションが似合うクールビューティーになっていた。これは今後もシリーズに出てほしい。
ボンドは最後に妻と娘を守るために自ら戦場で死ぬことを潔しとするが、この描写は「神出鬼没」で「不死身」の歴代のジェームズ・ボンドからすると異例中の異例だった。
作品の雰囲気も、ダークでシリアスな近年の雰囲気からすると、かつてのB級感が戻って来た感じもあった。
ともかくダニエル・クレイグのボンドはやり切っていて「伝説」になった。喪失感半端ない。
次のシリーズとかどうなるんだろうか。
途中、”後任の007”が登場してきて、最近のダイバーシティを反映したかのような「黒人」「女性」だったが、結局劇中で007の称号をボンドが取り戻す描写もあった。
そういうことなんだろうな、このシリーズの場合は。