オリンピックも終わった三連休の最終日。
台風接近で天気が良くないこともあり、美術館に行くことにした。
横尾忠則といえば、何と言ってもグラフィックデザインなわけで、インパクトの大きさゆえにあまり親しみやすい印象は持っていなかった。
今回の展覧会では、作品を時系列に並べるというよりも、大きなテーマごとに括るという試みがなされていた。
この展示により、グラフィックデザインの売れっ子から、古典的とも言える宗教画から近現代の作家からインスパイアを受け、それらをコラージュとして再構築して絵画の世界へとフィールドを広げていく横尾の創作活動の変遷がよく分かるようになっていた。
ピカソやアンリやデュシャンらの作家、あるいはアメリカの文化から強い刺激を受けつつも、自らのルーツや歴史と向かい合い、それらを消化していく過程において、自身の内面を抉るように作品を生み出していく横尾のエネルギーにやられる。
とりわけ、もはや彼の代名詞あるいはライフワークともなった「Y字路シリーズ」がこれでもかと並ぶ様は圧巻。
同じ「Y字路」のモチーフの反復の中にも、破壊と創造が見せる。
そして、展示の最後に現れる<現況>の達観したような筆致にも味わいがある。
一見穏やかに見えるタッチには彼の到達した境地が窺われるが、そこにおいてもなお創造を止めずに挑戦していく凄さ。
鑑賞するだけでかなり体力・精神力を使う作品群だったので、そのまま地下一階のレストラン「100本のスプーン」へ。
横尾忠則展コラボメニューの「真夏の分かれ路」パフェを頂く。
結構な分かれ路っぷり。