特別展「きもの KIMONO」@東京国立博物館

4月7日から開催予定だった東京国立博物館の特別展「きもの KIMONO」。

新型コロナウィルスの感染拡大を受けて延期されていたが、今般、ようやく公開されたので早速足を運んで来た。

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kimonoten2020.exhibit.jp

感染防止対策ということで、チケットは日時予約制、入り口で検温があり、マスクをしても「おしゃべり禁止」とウィズ・コロナ体制での鑑賞。

混みすぎず、騒がしい人もいないという、観賞にはむしろ快適な環境になっていた。

展示の方は、「きもの」をメインに据えて、鎌倉時代の小袖の展示に始まり、室町、安土桃山を経て、江戸時代に着物文化が花を咲かせる様を説得力を持って見せる。

着物本体だけでなく、小物や、着物姿の人物が描かれた絵画、屏風などで多面的に示され、さながら「着物に見る日本美術史」といった趣。

このような衣装は大陸からもたらされ、当初は中国の模倣から入ったわけだが、その後も海外からの影響は取り入れつつも、日本独自の文化といて発展を遂げた着物は、アジア美術史の観点で見ても面白いと思う。

明治に入ると、文明開化の号令の下で洋装化が進が、それでも大正時代には現代と同じような「ファッション」の文脈に置かれるようなマスプロダクトとして流通していて、そのまま現代につながっているように思えた。

展示は、東京国立博物館平成館の広大なスペースを贅沢に使っている他、貴重な資料も集積されていて(一部のアメリカからの出展中止を除く)、まさに国立にしかできないスケールとクオリティ。

それでいながら堅苦しさを感じさせない女性ウケする工夫もふんだんに取り入れられていて、YOSHIKIのコーナーがあったり、ブライスリラックマのグッズがあったりと、新鮮だった。

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着物を着たブライスは40万円ということで手が出なかったが、グッズは手頃な価格で買えた。

図録は読み物も充実していてこの内容で3000円は破格。

コロナ中の自粛で美術館にずっと行けなかったが、久しぶりに満喫できた。

東京での会期は8月23日まで。この夏見逃せない展覧会だと思う。