鴨長明は言った。
「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず」と。
ハコムスも同じだ。
「ハコムスの流れは絶えずして、しかも元のハコムスにあらず」と。
Season in the Boxは、ハコムスの公演の中でも僕が好きなもので、過去の公演を再現するというもの。
今日は、寺島和花・塩野虹・戸羽望実の4期生がお披露目となった2017年4月の公演の再現。
場所はヤマハ銀座スタジオ。
音が良く、ステージが高く、照明もしっかりしている。
今日は「前方着席、後方立ち見」というフロアアレンジだったが、これがハコムスのパフォーマンスをじっくり楽しむのにぴったり。
セットリストは、春感とフレッシュ感の合わさったもので、当時の4期生3人の初々しさを思い出させてくれる。
一言で言えば、最高。
トークコーナーの「プレイバック・ハコムス」では、当時を振り返りながら
「ぽにょ、リーダーになる」
「井上パイセン、先輩風吹かす」
「怖い神岡さん卒業」
というテーマが三題噺的に盛り上がる。
4期生が入った時に井上姫月が「反省」というタイトルのラインで後輩を指導していた話が最高に面白かった。
今日のハイライトは中盤のユニット曲。
当時と全く同じ4人でパフォーマンスされた「SE・KI・LA・LA」に成長を感じた。
また、2年前には「新メンバー」として先輩たちの中に混じっていた戸羽望実が、5期生二人をリードしつつ披露した「春色の空」が胸を打った。
そして、我妻ソロでは二度目となる「AXIA〜かなしいことり〜」。この曲をソロっていうだけでもエモいのだけれども、今日は歌と踊りがさらに磨かれて、総合芸術のようだった。
ハコムスというグループはもう5周年を迎えるわけだけども、5年間続けているメンバーは我妻桃実のみ。
その我妻も、今月、リーダーの座を吉田万葉に譲り、9月にはグループを卒業する。
だが、「ハコイリ♡ムスメ」というグループは続いて行き、メンバーが変わってもグループのコンセプトや表現力が変わることはない。
もちろん、カラーの違いみたいなものはあって、それを楽しむのも醍醐味ではあるのだけれど、「全然違うグループになってしまった」みたいなことはない。
「ハコムスの流れは絶えずして、しかも元のハコムスにあらず」と。
そんなことを思いながら、会場を出て銀座の歩行者天国を歩いていた。
思えば、銀座という街も同じかもしれない。
昔からあるのに、決して古くならない。
新しさに媚びることもない。
7月28日にハコイリ♡ムスメは5周年のセカンドコンサートを行う。
そこには、過去の卒業メンバーで、もう事務所を離れてしまったメンバーが何人も出演する。
「ハコイリ♡ムスメ」という場所は、この先も、いろいろな人が集まり、往き交い、離れては集まっていく。
移り変わりの激しいアイドルシーンになって、ハコイリ♡ムスメがこの先もそんな「場」「ハコ」になるといいな、と思う。
(セットリスト)
1 色・ホワイトブレンド
MC
2 私をよろしく
3 モナリザのいたずら
企画「プレイバック・ハコムス」
4 SE・KI・LA・LA(吉田、井上、寺島、塩野)
5 春色の空(戸羽、依田、山本)
6 AXIA〜かなしいことり〜(我妻)
MC
7 陽春のパッセージ
8 旅をつなげて