tipToe. 2nd Anniversary 4th ONEMAN「The Curtain Rises」@渋谷TSUTAYA O-WEST

2018年に動員を増やしたアイドルを「増加率」で測るならば、その筆頭格はtipToe.ではないかと思う。

3月に成瀬ゆゆかが復帰して現在の6人体制となると、1st アルバム「magic hour」をリリースし、4月には渋谷DESEOにて2nd ONEMAN「blue moment」を開催。

この時はキャパ250のハコをソールドアウトできず、メンバーたちが悔しがっていた姿が印象的だった。

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だが、その後は勢いに乗るばかり。

7月の青山月見ル君想フでの1st CONCEPT ONEMAN「blue moon rising」をソールドアウト。

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TIFでも話題を集めながら、8月の3rd ONEMAN「Our blue moment」ではキャパ450の渋谷WWWをソールドアウト。

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そして、いよいよ今日は、2018年最後のワンマンをキャパ600のOーWESTで開催。

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来場者が多数に達したということで、直前に2階席を開放するとアナウンスされ、僕は迷わず2階席からの観覧を選んだ。

関係者の数も多いが、ファンの数も多い。

開演時間。

ステージは本間Pが率いるtipバンドが登場し、続いてメンバーが入場。

初めて見る青い衣装!

サプライズの新衣装に心が踊る。

冒頭から、「特別じゃない私の物語」「ビギナー」と疾走感のあるステージ。

自己紹介の中で「みなさん、今日は長いですよ(笑)」のMC。

そこから「ひとりごと」「ハッピーフレーバー」。

2コーラス目の日野あみのパートのアドリブに思わず立ち上がる。

そして、今日初めて聴く楽曲。

スウィングしたリズムに、ブラスバンドの音が乗ってくる。

今までのtipToe.にない、ジャジーでビッグバンドなサウンド

大勢で盛り上がれそうな、さらにレパートリーを広げるような、tipToe.の新境地とでもいうべき雰囲気。

今日の最初の見せ場とでも呼ぶべき新曲「秘密」を終えるとバンドは一旦退場。

打ち込み主体「クリームソーダのゆううつ「ソーダーフロート気分」「Cider Aquarium」を、オケで聴かせる。

バンドセットとオケのつなぎ目に違和感はない。

またバンドが戻ってきて「僕たちは息をする」、SEに踏切の音が入り、ピアノソロのイントロからまた新曲。

今度は、グランジロック風というか、どちらかというとじっくりと聴かせるような世界観の曲(タイトルは「茜」)。

2010年代後半のアイドルシーンの中で、多くの楽曲派()にアピールしていくのではないかと思わせた。

バンドセットでハートビートが終わると、キーボードのみが残って叙情的なピアノソロ。

虫の音のようなSEと混ざりながら、ドビュッシーの「月の光」の変奏曲のようなフレーズを織り込みながらソロが続き、やがて静寂が訪れる。

静寂の中、メンバーが再登場し、ポエトリーリーディングの「砂糖の夜に」、バレエソロで始まる「blue moon.」。

コンセプトワンマンで初めて披露されたときには「実験的」だと思わせた2曲だが、今日はO-WESTの広い空間を完全に支配し、「世界」を作り出していた。

バンドセットの「ナイトウォーク」、オケの「星降る夜、君とダンスを」と、バンドサウンドとバックトラックを縦横無尽にシームレスに行き来する今日のtipToe.ワンマン。

バンドセットをライブのどこか一部だけにする手法もあるけれども、ライブの演出としてはバンドとオケを違和感なく繋いでいくこういう方法も大いにありだと思わされる。

ここでようやくMC。

「新衣装、新曲、バンドセットどうでしたか?」

いやもう最高。

コンセプトが変に一人歩きすることなく、演奏、楽曲、衣装が一体となっている「総合芸術」に他ならない。

そこに、メンバーの意気込みが加わり、バンドメンバーの魂が入りこむ。

一年間で色々なライブの現場に行くが、ここまでのものはなかなか見られるものではない。

ライブもいよいよラストスパート。

「かすみ草の花束を」から、まさかの今日3曲目の新曲。

疾走感のあるアップテンポな王道のギターロックという感じ。

今日の本編最後となったナンバーは、「The Curtain Rises」というタイトルだと発表された。

今日のワンマンと同じタイトル。

ということは、3年目のtipToe.を象徴するようなナンバーにして行くという決意の表れなんだろうと思う。

アンコールに応えてメンバーが登場。

お馴染みの記念撮影、そして、次回のワンマンの告知。

次回5thワンマンは、来年2月17日。

場所は、まさかの大阪。梅田クラブクアトロ

関西でのファン数はまだそこまで多くないと思われるが、いまの勢いなら・・・と思わせる。

最後の曲の前にメンバーが今日の感想を語る。

「まさかこんなに多くの人が来てくれるとは」
「今日、ソールドアウトしましたか?」
「本間さーん?!」
「ソールドアウトしたそうです!」

「学校の中でも目立たなかった自分でもできるんだと思った」
「ここが自分の居場所」

ということで、今日キャパ600のO-WESTをソールドアウト。

凄い。

フロアの下手には女性限定エリアも設置されているが、同世代・同性のファンが本当に多いように見える。

tipToe.への支持が広がっているのには、そういう若い女性ファンの共感を得ているのが多いのだろう。

最後の曲は「夢日和」。

コール、モッシュ、リフトも入り乱れるが、「荒れる」という感じは皆無で、みんなでこの楽しい宴を味わいつくそうとするような雰囲気が感じられた。

生バンド、新曲3曲、新衣装の意気込みで臨んだワンマンは、勢いと完成度を同時に感じさせるものとなった。

当日券でこのO-WESTをソールドアウトしたというのも、いまのtipToe.の勢いを示している。

来年は「在籍は3年限定」という縛りが効いてくる大きな節目になる予定。

その節目、その期限が<物語>のクライマックスを加速するのかどうか。

2019年のtipToe.も引き続き目が離せない。

(セットリスト)

<バンドセット>
1 特別じゃない私の物語
2 ビギナー
MC
3 ひとりごと
4 ハッピーフレーバー
5 秘密(初披露)
<オケ>
6 クリームソーダのゆううつ
7 ソーダーフロート気分
8 Cider Aquarium
<バンドセット>
9 僕たちは息をする
(SE)
10 茜(初披露)
11 ハートビート
(SE)
<オケ>
12 砂糖の夜に
13 blue moon.
<バンドセット>
14 ナイトウォーク
<オケ>
15 星降る夜、君とダンスを
MC
<バンドセット>
16 かすみ草の花束を
17 The Curtain Rises(初披露)
(アンコール)
記念撮影
告知(2/17 5th ワンマン梅田クアトロ)
MC感想
en1 夢日和