大型連休中開催されてきたロックフェス「ビバラロック!」。
そのアイドル版とも言える「ビバラポップ!」が初めて開催された。
場所はさいたまスーパーアリーナ。
メインと野外の2ステージ体制。
僕はメインのレベル200最前列から見ることに決めた。
こぶしファクトリー(11:00-11:40)
今日のフェスのトップバッター。
5人体制のこぶしファクトリー初見。
初の生バンドだったが、こぶしのロック、ディスコファンク楽曲と生バンドの相性は抜群。
後半「ドスコイ!ケンキョにダイタン」の間奏で、まさかの大森靖子が登場し、相撲の取り組みからメンバーと絡み。
続く「ラーメン大好き小泉さんの唄」では、こぶしメンバーと一体となってのパフォーマンスで「ラーメン大好き大森さん」に歌詞も変更。
そして、ラストの「辛夷の花」では、大森自身がギターも奏でて、全く予期しない素晴らしいコラボステージになった。
トップからサプライズのコラボとかビバラポップ!本気すぎる。
ラストアイドルファミリー(12:00-12:45)
テレビでおなじみのラストアイドルファミリー。
旧ラストアイドル(現La Luce)7人での「バンドワゴン」で始まり、Good Tears、Love Cocci、Someday Somewhere、シュークリームロケッツと、ファミリー総出でのライブ。
ボーカルパートはほぼリップシンク(かぶせ)だが、テレビアイドルだけあって、中継カメラに抜かれるときの表情のクオリティは超一流。
全グループがパフォーマンスを終えた後に、「天の声」が吉田豪を呼び、今日一番良かったメンバーのジャッジを下すように命じる。
「もう決めてます。・・・阿部菜々実さん」
ここまでは予想がついたが、彼女が挑戦者として番組中で披露した℃-uteの「悲しき雨降り」を歌うと・・・
なんと鈴木愛理本人が登場!
2人でステージで歌った後に、「ビバラポップ!ドッキリ」という企画であることが明かされる。
これは完全にサプライズ。
45分間が贅沢なテレビ番組のようなステージだった。
ばってん少女隊(12:45-13:15)
花道を走り、髪を振り乱し、勢いを最大限につけたパフォーマンス。
2010年代前半のスタダ感のあるライブで、今のシーンではむしろ貴重な存在かも。
6人のメンバーカラー「赤桃黄緑青紫」は無印時代のももクロと同じでバランスいいし、いつ見ても懐かしくなる。
Negicco(13:15-13:55)
VJを使った7曲ノンストップライブ。
レコードの針を落とすノイズから始まる「土曜の夜に」で独特の空気を生み出し、「サンシャイン日本海」の前には海の波の音。
スクリーンには楽曲に合わせた環境映像やMV、あるいはグループロゴ。
セトリも奇をてらわず、濃いネギヲタもライトファンも初見も一緒に楽しめるもの。
終盤「ねぇバーディア」では、花道・出島を使うパフォーマンスも見せた。
アウェイとかホームとか関係なく、今日の客層に広くアピールし、アイドル音楽好きの琴線に触れるいいライブだった。
(セットリスト)
0 OPSE
1 土曜の夜は
2 サンシャイン日本海
3 カリプソ娘に花束を
4 ときめきのヘッドライナー
5 トリプル!WONDERLAND
6 ねぇバーディア
7 さよならMusic
MC告知
鈴木愛理(14:25-15:05)
個人的には「レジェンド」の領域の人。
グループ時代の印象が強くて、「ソロどうなんだろう?」と半信半疑で観始めたが、楽曲が良くて、歌がうまくて、ダンスがしなやかで、かわいくて、色気あって…最高すぎて言葉を失う。
めちゃめちゃいい。
バンドを率いて音楽を奏でる感じが凄まじかったし、ステージと花道と出島を行き来しながら、広大な会場の観客と一体となる演出が半端ない。
2階から見ていた僕にも「レスが来た!」と思わせる瞬間があったし、実力的には別次元というか。
最後に、沈黙の後静かに「♪キスをあげるよ〜」と「初恋サイダー」を歌い出したときの会場のどよめきと、そこからの歓声が忘れられない。
とんでもないものを見た…
圧倒的に今日のベストアクト。
sora tob sakana(15:05-15:35)
今日から復帰した山崎愛を含めて4人での出演。
観客が腕をあげる曲を中心にフェス感を強め、出島を積極的に使うパフォーマンスで会場を一体にした。
途中でステージ背面のスクリーンがバグって、お家芸のVJによる演出は完全ではなかったのはオサカナファンとしては残念だったが、ステージのメンバーはそんなトラブルをものともせず、大舞台を楽しんでいるように見えた。
さいたまスーパーアリーナに立つオサカナを遠くから観て、色々な思い出が胸を過ぎった。
すごくいいライブだった。
(セットリスト)
0 OPSE
1 夏の扉
2 夜間飛行
3 広告の街
MC自己紹介・告知
4 夜空を全部
5 鋭角な日常
6 ribbon
Maison book girl(16:10-16:40)
背面スクリーンのバグを直すため一時中断してからのブクガのライブ。
スクリーンは結局またすぐバグってしまったが、ライブは何かが憑依したような熱い空気。
大音量ながらクリアな音の良さ、照明を抑えることで雰囲気を演出したカメラ映像を映す上部スクリーン。
幻想的でアーティスティックなグループの個性が前面に出たライブ。
オサカナもブクガもそうなんだけど、今やアイドル音楽の表現にVJは欠かせない存在になっているので、フェス主催者はそこはPA周りと同じくらい気を配って欲しいと思った。
BiSH(16:40-17:30)
最初に「星が瞬く夜に」を2回やって「まさか」と思わせてからのキラーチューンの連発。
楽曲自体もエモーショナルだけど、パフォーマンスがまた熱いし、フロアもその熱さを増幅する感じ。
気付けばアリーナは満員になり、サークル、モッシュ、推しジャンでフロアが一体に。
最後の「星が瞬く夜に」の熱量凄かった。
今日の事実上のトリ、ヘッドライナーと呼んでいいかもしれない。
充実の50分ライブ。優勝案件。
欅坂46(17:40-18:25)
BiSHが凄いライブを見せた熱気の残るさいたまスーパーアリーナ。
欅坂46の名前がコールされ、Overtureが始まると、グリーンのキンブレが一斉に振られて、地響きのようなコールが渦巻く。
今日はグループのアイコン的存在の平手を含む4名が不在の17人編成。
見る人が見れば物足りないところがあったのかもしれないが、こういうピンチの局面でメンバーが補い合う姿を見るのは、むしろ個人的には大好きなところ。
欅坂46というグループのチームワークを一層感じさせてくれた。
パフォーマンスには気迫がこもっていて、メッセージの強い楽曲があってこそだと思うが、途中で2チームに分かれてノンストップで衣装替えをする演出もあって、コンテンポラリーダンスとしても楽しめた。
いいものを観たという思い。
道重さゆみ(18:30-19:10)
一曲歌った後、「この世界に入って15年、フェスに出たことはなかった。初体験のフェスよろしくおねがいします!」「でも、初めてのフェスで心細いので」とシークレットゲストの高橋愛を召喚。
二人で「Fantasyが始まる」からの「みかん」で、実質モーニング娘。のライブ。
次は、高橋愛ソロで「SEXY BOY~そよ風に寄り添って〜」始まった。
「ちまたで噂のセクシーフワフワ!」とヲタクが盛り上がっている間に、道重さゆみは衣装をお色直し。
再びソロになり、最後は大森靖子に所縁のある「ラララのピピピ」。
アイドルらしさを前面に出したステージ。
この後、グランドフィナーレがあったがここで退出。
総評
結論から書くと、すごくいいフェスだった。
行く前は「アイドルを見下してきたロック界隈が手のひらを返してアイドルフェスを始めたか」という斜に構えた気持ちがあったが、実際に足を運んで一日過ごして見れば行き届いた上質なフェス。
メインステージでのBiSHと欅坂46の各50分ライブ。
大森靖子のこだわりを前面に出した数々の企画。
今が旬のラストアイドルファミリーの出演とコラボ。
楽曲派アイドルの代表格であるsora tob sakanaやMaison book girlの出演。
一部の出演者だけれども、バンドセットもあり。
午前から夜までスタンド席とアリーナを行き来し放題、途中退場もできて、外には食事もとれる屋台がたくさん。
これでチケット総額8000円なんだから、5000円とかのxx対バンとか全く行く気が失せる。
個人的には、来年以降もぜひやって欲しい(その際はオサカナとブクガのライブを完璧なVJ環境で見せてほしい)。
ちなみに、この手の新しい動きに敏感な「イノベーター」「インフルエンサー」的な方々が結構来ていた印象。
この人とか。
鈴木愛理さまの初恋サイダーを生で聴けてしまい、道重さゆみさまの神々しさに感激していたら高橋愛さまがサプライズ出演されてFantasyが始まった瞬間のゆっふぃーの感激といったらもう完全に体が勝手に動き始めるの…しかもそのあとみかんだった…みかん聴けちゃった…嘘みたい… #ビバラポップ
— 寺嶋由芙 #「きみが散る」 (@yufu_0708) 2018年5月6日