ヴェルディのイタリアオペラ「リゴレット」を観にフォーシーズンズセンターへ。
今日は3階の最前から鑑賞。
チケットの料金はオーケストラピット最前と同じ。
演者の表情は見にくいものの、舞台装置や照明の全体はよく見えるし、ステージ天井より高い字幕も視野に入る。
文字通り「俯瞰する」には良い席。
ストーリーは、ヴィクトル・ユーゴーの「王は愉しむ」を原作にしたもので、王の尽くした享楽と、それに対する貴族の呪い、そしてその呪いが不具の道化師とその娘に降りかかるというダークなもの。
基本的には、悲劇のタッチで話が進んで行くが、皮肉が強い描写もあって、これを娯楽として受け止めるのはなかなか心の余裕が必要な感じ。
イタリアオペラというと「豪華絢爛」なイメージがあったが、ダークな展開は衝撃的。
個人的には、モノトーンと赤を基調とした退廃的な美術や演出には大いに惹かれるところもあった。
このような芸術作品から何らかの「教訓」を引き出そうとするのは必ずしも正しい態度ではないと思うが、あえて言えば、人は運命の前でいかに無力であるか、というような無情を感じさせた。