3月の定期公演で女優の活動に専念するためにグループを卒業すると発表した神岡実希の卒業公演が開かれた。
チケットは前売りでソールドアウト。当日券もなし。
開演時間。結成当初の2014年の頃のハコムスを彷彿とさせる「最初のキモチ」でライブ開始。純白ドレスの神岡が眩しい。
自己紹介。
今日のサブタイトルを付けた星里奈が、意味を解説する。「スイートピーとスターチスは両方とも5月の花。花言葉は、スイートピーが「門出、優しい思い出」、スターチスが「変わらない心、途絶えぬ記憶」」と紹介。メンバーから「さすが、ポエマー星」との声が上がる。
続いてハコムスのオリジナルソング「レモネード・キッス」、そして神岡・鉄戸・星による「避暑地の森の天使たち」。
冒頭3曲は全てモータウン・ビートで、楽しさを感じさせる。
「また違ったハコムスの一面を見てほしい、表情にも注目」というMCの後、「なぜ?」、そして神岡・鉄戸による「あたしの靴あなたの靴」。
ともに失恋の悲しみを歌った楽曲。歌声や表情に、女優としての神岡の表現力が遺憾なく発揮される。
ここで企画コーナー。
神岡さんと言えば「神おこ」。他のメンバーに対して怒るということでも知られているが、卒業公演でまさかのマンツーマンでのステージでの「神おこ」。
後輩となる4期生、3期生、2期生には「ここを直したらもっと良くなる」的なアドバイス。同期の1期生には「リーダー頑張ろう」(我妻)「貸した小銭は返そう」(鉄戸)。
最初の4期生への「神おこ」は、僕がレッスン見学で見た姿と同じで厳しさの中に愛があるというものでひりひりするような感じだったが、最後の鉄戸美桜への「神おこ」は、完全に笑いを取れる内容だった。
ライブは後半へ。
神岡・我妻のよる「星座占いで瞳を閉じて」。今年に入って12回目の披露と言っていたが、僕も10回くらいは聞いている気がする。同期で同年齢の二人による完全に息の合ったパフォーマンスもこれが見納めと思うと寂しくなる。
ハコムスオリジナルの夏曲「アンバランスなサマー」。
間奏での台詞「好きかも」は、神岡の見せ場の一つ。短い一言で爽やかな恋心を感じさせるのは彼女の表現力ならでは。
撮影可能曲だったが、入場番号ほぼ200番のポジションからはこれが限界。
そして、神岡と言えば同じく夏曲の「海へ行こう〜Love Beach Love〜」。
間奏の振付で、水泳、スイカ割り、花火大会を描いている。これも初期のハコムスからずっと歌い継がれている名曲。このメンバーで聞くのは最後だと思うと胸が熱くなる。
卒業公演恒例のメンバーからのお手紙。
4期の最年少の戸羽望実から読み始めるのだが、泣きじゃくって声が出なくなるほど。ともに過ごした時間は4か月程度と短いのに、濃密な関係ができていること、メンバーにとって神岡の存在が大きいことが改めて分かる。
終盤では、ハコムスの最初のオリジナル曲「微笑みと春のワンピース」と、最新のオリジナル曲「旅をつなげて」を。
「旅をつなげて」の方は、卒業ソングとも言うべき歌詞と振付。
出会いと別れを重ねる中で、新しい道に踏み出す神岡をみんなで送り出す楽曲。
アイドルが悲しい形で消えていく昨今、こんなに前向きな卒業はない、と思う。
アンコールでは、客席から真っ白いサイリウムが振られる中、「アンブレラ・エンジェル」、そしてハコムスのとっておきの切り札ともいえる「なかよし」。
笑いながら泣いているような表情のメンバーもいて、見ている方も涙が止まらなくなる。
神岡のステージで最後の挨拶は「以上わたしたち、ハコイリ♡ムスメでした。ありがとうございました!」
満員の客席、大勢の仲間や後輩に送り出される形で、アイドル・神岡実希は、眩しい姿を残していった。
既に行定勲監督の「ナラタージュ」への出演も決まっていて、これからの女優としての活動に期待が持てる神岡実希を応援していきたいと思う。
そして、神岡が卒業して、3期生・4期生が中心になっていく新しいハコイリムスメにますます期待したい。
そんな風に思える素晴らしい公演だった。
終演後特典会は、卒業する神岡実希と、リーダーの我妻桃実に囲まれて全員ショットチェキを。
ハコムスの原点である「ハコ」のポーズで。
出会いと別れを繰り返しながらどんどん強くなっていくグループ。
それがハコムスなんだと改めて思わされた。
これからも応援したい。
(セットリスト)
1 最初のキモチ
MC
2 レモネード・キッス
3 避暑地の森の天使たち(神岡、鉄戸、星)
MC
4 なぜ?
5 あたしの靴あなたの靴(鉄戸、神岡)
MC 神おこ
6 星座占いで瞳を閉じて(神岡、我妻)
7 アンバランスなサマー
8 海へ行こう〜Love Beach Love〜
MC お手紙
9 微笑みと春のワンピース
10 旅をつなげて
(アンコール)
en1 アンブレラ・エンジェル
en2 なかよし