私の心の中にあなたがいる
いつ如何なる時も
どこへ続くかまだ分からぬ道でも
きっとそこにあなたがいる
(宇多田ヒカル「道」)
(1度目)
t.co
(2度目)
t.co
今回は、「アコースティック」と銘打たれて、スマイルネッサンス初の会場となる渋谷マウントレーニアホールで行われた。
入口に飾られているのは真っ赤な花。カープ女子石野をイメージ。
過去の石野の生誕企画としては、2014年は8曲中アコースティックが2曲(うちソロ1曲)、2015年は3曲全てがアコースティック(全て石野ソロ)で、ともに伴奏はギターだけだった。
だが、今回のプレイヤーは、おなじみの炭竃智弘さん、園木理人さんに加え、ギターにTORU MATSUMOTOさん(ex.Psysalia Psysalis Psyche)さん、ドラムにgotoさん(DALLJUB STEP BAND、あらかじめ決められた恋人たちへ)というぜいたくな4人編成。
これ、もう"アコースティックバンドライブ"だよね。
バンドを背負って登場した石野は、最初に「メイン・テーマ」(薬師丸ひろ子)をソロで歌い上げる。
映画女優としても実績を残している石野にとって、女優と歌手の両方の顔を持つ薬師丸の歌は、どこか自分に通じるものを感じるのかもしれないと思わせる。
続いて「Wondering up and down ~水のマージナル」(PSY・S)を。
神秘的な雰囲気を湛えた石野のボーカルに、新井と南端のコーラスが厚みを加える。
次に、アイドルネッサンスの残りのメンバーが全員ステージに登場。
ルネッサンスでもカバーしている「スパイダー」(スピッツ)を。
石野のボーカルの存在感が凄いが、演奏しているプレイやーの出す音のうねりがたまらない。
アイドルネッサンスメンバーが分厚いハーモニーで彩りを添える。
次の曲は「日本を代表するスーパースターの曲」という紹介に続いて、「時の過ぎゆくままに」(沢田研二)を名曲ルネッサンス。
楽曲の世界観を理解し尽くしたソロ歌唱で、まるで昭和生まれの歌手のようだった。
そして、再びアイドルネッサンスの中から選ばれたメンバーのサポートを得て、石野が大好きだという「道」(宇多田ヒカル)と「アイネクライネ」(米津玄師)をしっとりと歌い上げる。
前者では新井・南端・原田が、後者では原田が、ボーカルのハモりを担当。まいなのハモりが美しい。
石野の魅力はもちろん歌唱力だが、アコースティックの演奏をバックに、ホールでボーカルをコントロールしてるのを聴くと、微妙なニュアンスを含めて楽曲の世界を深く理解した上で表現していると実感。
ご家族の姿も見掛けたが、「道」の歌詞はどんな風に響いただろうか。
私の心の中にあなたがいる
いつ如何なる時も
どこへ続くかまだ分からぬ道でも
きっとそこにあなたがいる
(宇多田ヒカル「道」)
MCに続いて、石野がアクターズスクール広島在籍時代に歌い始めた「ノスタルジア」(いきものがかり)。
最後は、アイドルネッサンスメンバー全員が加わり、「ワタリドリ」([Alexandros])。
石野自身が「私にとって挑戦」と紹介した曲だったが、その挑戦は大成功に終わったといってもいいだろう。
ここまで全8曲。
良質なアコースティックワンマンを見ているかのように音楽の世界に入り込めた。
ここでバンドのメンバーが退場。大きな拍手に包まれる。
ステージには、アイドルネッサンスメンバー。
メッセージカードとケーキが運ばれ、石野の誕生を祝うコーナーへ。
石野からは今日のイベントのオリジナルグッズの紹介。2年前の生誕Tシャツで自画像を描いた後、イラストの勉強をしてきたのを活かしたと。
そして、16才の抱負。
2016年は「彷徨うくらい夢中」を掲げてきた。
よく変な人だと言われるので、普通の人になろうかと無理もしてみたが、やっぱり普通の人はつまらなかった。
これからは自分の個性を追求していきたい。
もし言うなら「面白い人だね」と言われたい。
でも、濫用は禁止で。
こんな感じだったかな。「コーラとソーダ―の長いグミ」とかなんとかいうフレーズも印象に残ったけど、正直、意味は分からなかった。
天才・石野理子ならではの感覚的な何かなんだろうけどね。
石野のスピーチが終ったところで、百岡古宵が涙を流しているのを見てメンバーがコメントを求める。
「石ちゃんには感謝している。2016年、石ちゃんがいなかったら私はやれなかった」と。
ともに多くは語らなかったが、遠征組同士で一緒に過ごす時間が長いであろうこの二人にしか分からない絆を感じた瞬間だった。
新井が「石ちゃんは面白い人だね」と早速ぶっこむ。濫用、ダメゼッタイ!(笑)
改めて「石ちゃんは宝」と新井が上手くまとめて、スマイルネッサンスvol.23は幕を閉じた。
昭和の歌を歌えば当時にタイムスリップしたようになり、現代の歌を歌えば同時代の空気を感じさせる。
歌声だけで変幻自在に時空を操れるのではと思わせる石野理子の魅力を、生バンド・ホールで味わう贅沢なひとときだった。
以下はおまけ。
石野理子と言えば星野源、星野源と言えば「恋ダンス」ということで、恋ダンスポーズで2ショットチェキを撮った。
今はもう2017年になってしまったけれど、この生誕は去年の誕生日の分だし、いいよね?
(セットリスト)
1 メイン・テーマ/薬師丸ひろ子
2 Wondering up and down ~水のマージナル~/PSY・S (w/新井、南端)
MC
3 スパイダー/スピッツ(石野リード+メンバー全員)
MC
4 時の過ぎゆくままに/沢田研二
MC
6 アイネクライネ/米津玄師(w/原田)
MC
7 ノスタルジア/いきものがかり
MC
8 ワタリドリ/[Alexandros](石野リード+メンバー全員)