君に会いに行くよ~アキバで想い出トラベルネッサンスvol.2

君に会いにいくよ 君に会いにいくよ
愛してます 好きにしてよ
君に会いにいくよ
THE BOOM星のラブレター」)

アイドルネッサンスのポテンシャルの高さを改めて思い知らされる公演だった。

異常事態発生

今日の公演は、リーダーで大学生の橋本佳奈が学業のため欠席と発表されていた。彼女が同じ理由で公演を欠席したことは過去にもあった。今日、「6人」のアイドルネッサンスに合わせて歌割りやフォーメーションを変えて練習してきたはずである。

だが、そこに加えて、本日昼の野外公演で熱中症になった比嘉奈菜子も公演を欠席することが、開演1時間近く前に発表になった。


急遽「5人」となったアイドルネッサンス。メンバー二人を欠くという異常事態。5人は無事に対応できるのか。

30分遅れの開演

AKIBAカルチャーズ劇場でのアイドルネッサンスの定期公演は、月曜18時開場、18時30分開演。お見送り会を含めても遅くとも21時には完全終了している。

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だが、18時を過ぎても開場する気配はない。リハーサルが長引いているというアナウンス。結局入場が始まったのは、18時30分近く。200人を超える観客が入場し終わったのは18時45分。僕は3列目の上手に席を確保。

入場後、開演が30分遅れになると発表され、19時頃に公演開始。

「想い出トラベルネッサンス」のオープニング映像が流れ始める。西暦を表すタイムマシンの目盛が目まぐるしく動き、効果音とともにスクリーンに大きな文字が映し出される。

1989年「星のラブレター
1990年「あの娘ぼくがロングシュート決めたらどんな顔するだろう」

館内、大歓声。まだ暗いステージにメンバーが現れる。シルエットは5人。そこで舞台の照明が一気に上がる。まぶしい純白の衣装に、まばゆい笑顔。

ゆったりと落ち着いたテンポで「星のラブレター」を歌い始める。石野理子、新井乃亜のボーカルの2トップが盤石なのを見て安心する。

君に会いにいくよ 君に会いにいくよ
愛してます 好きにしてよ
君に会いにいくよ
THE BOOM星のラブレター」)

そうだ、僕は君たちに会いにここに来たんだ。

続いてアイドルネッサンスにとって定番曲となっている「あの娘ぼくがロングシュート決めたらどんな顔するだろう」。

百岡古宵がホイッスルを吹くイントロでスタート。観客からの盛大なクラップが館内にこだまする。終盤の「青春ってワンツースリージャンプ!」のコールもいつも以上に響いている。

2曲終わったところでMC。

今日は海の日にちなんで「海」にまつわる自己紹介。

新井乃亜:埼玉県出身ですが昔は毎週海に行っていた。
南端まいな:猫が好きなまいなは海も好き。だって海には魚がいるからだにゃあ。
石野理子:広島出身なので海と言えば瀬戸内海。海水浴も瀬戸内海にしか行ったことがない。
百岡古宵:岩手では海と言えば大船渡。イワシを100匹釣ったこともある。
宮本茉凜:海への愛も止まらなーい。両親が海が好きで自分に「まりん」という名前を付けてくれた。

いつも通りの、いや、いつも以上にはじけるようなMC。二人のメンバーが欠席していることのおわびはあったが、不安な表情は全くない。それどころか「私たち5人ですけれど、いつも以上に超頑張ります!」という力強い宣言。

そして「シャングリラ」と「Good day Sunshine」を2曲連続で。「シャングリラ」は舞台上手、自分の目の前のゼロズレであらちゃんをトップにするダンスが始まり、「Good day Sunshine」では舞台下手でりこぽんをセンターにしたフォーメーション。ステージを広く使って、大勢のファンを楽しませようという意図なんだろう。

続く「手を打ち鳴らせ‼︎」でも、5人で目一杯展開するパフォーマンス。メロディーの合間に入るファンからのメンバーコールの声援もいつも以上に大きく聞こえたのは気のせいではないだろう。

おかっぱセーラー対決?!

次は「あのころに想い出フォーカス」のコーナー。今日は2006年を取り上げる。天の声の「想い出ボイスマン」が、軽妙な進行と、ときにメンバーへのツッコミを入れながら、「安倍内閣発足」「トリノオリンピック開催」など2006年の出来事を振り返る。

今の首相の名前を聞かれたまいなが「えっと、総理大臣!」というボケに続いて「えっとえっと」と困っているところを、りこぽんに「本当に分からないの?」と突っ込まれ、ようやく「安倍さん?」と正解にたどり着いた。そんなりこぽんは、トリノオリンピックの金メダリストを聞かれて「荒川さん!荒川静香さん」と即答し、「これですよね?」とイナバウワーのポーズを決める。ドヤ顔のりこぽんかわいい。

2006年の流行語として「エロカッコイイ」「たーらこーたーらこー」「欧米か!」「メタボリックシンドローム」が紹介される。「たーらこー」ではメンバーで振り付きの大合唱。

そして「メタボリックシンドローム」では、想い出ボイスマンがりこぽんに「メタボな芸人といえば誰?」と質問すると、「えっとー、想い出ボイスマン??」との答え。それを待っていたように、ステージに今日の想い出ボイスマンの響ミツコが登場。

理子ちゃんに「そのおかっぱ、私と被せてるわよね」と因縁をつけると、理子ちゃんは事務所の先輩でもある橋本愛さんをリスペクトしていると説明。だが、ミツコは「セーラー服もかぶっているじゃない」と畳み掛ける。

因縁の(?)二人が決着をつけるために対決をすることになり、じゃあ「歌?」というと、響ミツコはエイベックスからCDを出したこともあると自慢気に語る。じゃあ「ダンス?」というと、理子ちゃんが首を大きく左右に振ってメンバーに「だってみんな知っているでしょ、私がどれだけ…」と抗議し始める。

ということで、結局、石野理子vs.響ミツコのおかっぱセーラー服のダンス対決。「17才」に合わせて、センター2トップとなった二人が火花を散らすようなダンスバトル。理子ちゃんは自分のパートをガチで歌い、響ミツコは「ヘイヘイ!」と合いの手を入れる。ミツコ、ダンス完璧でキレッキレやん! 聞けば、4時間みっちりとレッスンを受けたとか。

勝利の行方は、会場の拍手の大きさに委ねられた。

「理子ちゃんが良かったと思う人!」「パラパラ…」
「ミツコが良かったと思う人!」「パチパチパチパチ!!!!」

石野理子「(会場を一瞥して)えー、なんで。裏切り者(ボソッ)」。最高。

まいなが「ヘイヘイって言ってた…」と呟いたのも聞き逃さなかった。ほぼスルーされてたけど。ということで、響ミツコ退場。いや、面白かった。

アイドルのステージって、ともすると「歌とダンスに磨きをかける」というストイックな方向になりがちだけど、こういうバラエティっぽいのも楽しい。

メンバーも初見の「夏の決心」MV公開

MCでは、宮本茉凜がフェス出演やリリイベのスケジュールを告知。「夏の決心」リリイベでは、「関東六県 レコ“初”巡り」についても紹介。「みなさんのところにも遊びに行きます」と言った後、「遊びにじゃないですね」と自分で突っ込む。この辺のまりんのMCは本当に安心して観ていられる。

そして、サプライズ企画。

メンバーも初見の「夏の決心」のMV鑑賞会がスタート。

ステージのスクリーンを囲む形で、下手に宮本茉凜、百岡古宵の二人、上手に石野理子、南端まいな、新井乃亜の三人が並ぶ。

そして、世界最速公開のこの動画を鑑賞。


アイドルネッサンス「夏の決心」(MV) - YouTube

スクリーンに映るメンバーを見ながら、キャッキャウフフするメンバーを眺めるという「スマイルネッサンス」で何度かあった至福の時間。

特に、りこぽんは、スクリーンで自分がアップになると途端にアワアワしたり、挙動不審になるので、目が離せない。

そんな幸せな時間は、後半の落ちサビのあたりでフェイドアウト。そして、今日の21時30分に全面公開するとのアナウンス。

怒涛の終盤へ

あらちゃんの「まだまだ盛り上がれますかー」のMCでライブ後半戦スタート。

まずは「PTA〜光のネットワーク〜」。冒頭、生徒役の新井乃亜と先生役の橋本佳奈の掛け合いから始まるんだけど、今日は先生役の代打で百岡古宵。かわいい声の先生で、貴重なバージョン。こよちゃんもニコニコうれしそうに楽しんでる。

続いて、切ない歌詞に合わせたしっとりとした表現が聴かせどころのバラード「女の子は泣かない」。りこぽん、あらちゃんの切ない表情も見せ場だけれど、落ちサビのまいなの儚げなボーカルに思わず泣きそうになる。

そして「7 COLORS-Over The Rainbow-」から「ミラクルをキミとおこしたいんです」へ。

いまやコールで会場ははちきれそうだし、着席が基本のAKIBAカルチャーズ劇場のフロアが揺れているのが分かる。

「ミラクル起こせよ! 奇跡を起こせ!やらなきゃBaby!」の歌詞にある通り、今日の彼女たちはいまここで奇跡を起こしていると感じる。そんな神がかったエンディング。

メンバーが挨拶してステージから退出すると、この時点で時計は20時30分。

館内にはアンコールの声援と拍手が響く。そしてメンバー登場。

新曲のカップリング「Dear, Summer Friend」と「夏の決心」を全力のパフォーマンスで披露。

MCで、まりんから今日の公演がソールドアウトになったことが報告される。定期公演の満員御礼は前回の「アキバで漲るネッサンス!!」の千秋楽が初めてで、そのときに「次の定期公演は毎回ソールドアウトしたい」と意気込みを語っていたので、これは本当にうれしそう。

まりんが「リリイベにも遊びに来てください」とまとめに行くと、りこぽんが「さっき自分で遊びに行くって言ってから、違うって訂正したじゃん?」と突っ込み。しかしまりんは落ち着き払って「ありがとう。それは、私たちは遊びに行くんじゃないけど、みなさんは遊びに来るっていうことなんです」と瞬殺。すぐに飲み込んだりこぽんが「申し訳ありませんでした」と平謝りする一幕もあった。これ完全にアドリブの掛け合いだと思うけど、面白すぎた。

アンコールが終わると20時45分。ここで運営の照井プロデューサーがお詫びとともに、今日のお見送り会を開催しないことをアナウンス。場内からは拍手が起こる。

「お見送り会」の代わりにと最後に5人ステージに戻って挨拶。感謝の言葉。

最後はあらちゃんの発声で「明日もがんばルネッサーンス!」と締めて、拍手喝采。終了のアナウンスが館内に流れたのはほぼ21時になっていた。

アイドルネッサンスを見るということ

アイドルを見るということは、成長の過程を見るということである。その意味で、成長しないアイドルはいないだろう。だが、アイドルネッサンスの成長曲線の鋭さは他に類を見ないものだ。

2人のメンバーを欠いた今日の「5人のアイドルネッサンス」だったが、メンバーはその逆境をバネにして、過去最上級のパフォーマンスを見せてくれた。

開演を30分遅らせて調整しただけあって、セトリ・歌割り・ダンス・進行のどこを取っても完璧なパフォーマンス。自己紹介のMCで「超頑張る」と宣言した通りの気迫のステージ。

メンバーの熱さに応えるファンとの一体感もいつも以上。「今年一番の熱い公演」と言っても過言ではない

僕は今日の公演で5人のメンバーの満面の笑顔を眺めながらも、途中から涙を止められなかった。アイドルネッサンス、どれほどまで凄いんだろう、これで全メンバー揃ったらどうなるのと思いながら。

アイドルネッサンスを初めて見たのは、一年前のAKIBAカルチャーズ劇場の新人公演だけれども、この一年で彼女 は見違えるくらいにたくましく、美しく、そして頼もしく成長した。

成長する過程を楽しみながら応援するアイドルにおいて、「一年前に見た」とか「半年前に見た」というのはあまり意味がないと思っている。その間に成長しているのがアイドルという存在だから。

だが、彼女達の成長の速さは、一ヶ月、いや一週間目を離しただけでも、別物になりそうな凄さがある。

アイドルネッサンス、2年目の夏は本当に熱い夏になりそう、いや、すでになっていると言える。絶対に目を離したくない。

だから…また君に会いに行くよ。

(セットリスト)

1 星のラブレター
2 あの娘ぼくがロングシュート決めたらどんな顔するだろう
3 シャングリラ
4 Good day Sunshine
5 手を打ち鳴らせ‼︎
6 PTA〜光のネットワーク〜
7 女の子は泣かない
8 7 COLORS-Over The Rainbow-
9 ミラクルをキミとおこしたいんです
(アンコール)
en1 Dear, Summer Friend
en2 夏の決心

おまけ:オリジナルでカセット作って

「夏の決心」の歌詞に、「♫オリジナルでカセット作って〜」ってあるけど、当時は本当にオリジナルでカセット作ってたんだよ。まあ、アイドルネッサンスのメンバーは「カセット」って知らないだろうけど…