咲く向日葵~WHY@DOLLワンマンライブ2015SUMMER@新宿RUIDE K4(昼の部)

「また会えるよ」って 君の言葉 都会に消えてく
見慣れた風景が 僕をもっと強くさせるんだ
Ah 無邪気なまま はしゃぐ君が水面に輝く
鈍色の想い出に 咲く向日葵
WHY@DOLL「向日葵」)

ほわどるとは

ほわどることWHY@DOLL

元々は北海道のローカルアイドル「Teamくれれっ娘!」の派生ユニットで、メンバー離脱などの結果、現在の青木千春(ちはるん)と浦谷はるな(はーちゃん)の二人組になった。

2013年11月に二人で上京、2014年9月24日付けのデビュー曲「Magic Motion No.5」はagehaspringsによるクオリティの高い仕上がりで、楽曲派()の間でも話題となったことは記憶に新しい。ちはるんの甘い声と、はーちゃんの力強い声の対比が織りなすハーモニーが魅力。


WHY@DOLL - MAGIC MOTION NO.5(Short Ver ...

11月には恵比寿LIQUIDROOMでのワンマンにも挑戦。実際の動員力に対してハコの大きさとしてはやや背伸びしたような感じもあったが、今回は新宿RUIDE K4で「はじめのいっほ♥~」と題するワンマンを敢行。この日は昼と夜の二回公演で、僕は昼の部を観に行った。

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新宿RUIDE K4はキャパ250人であるが、チケットはソールドアウト。入り口にはファン一同からのお花も飾られた。

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開演前、関係者エリアには、前夜に渋谷duoでのワンマンを成功に終わらせたまなみのりさの3人のメンバーも姿を見せた。フロアにも、まなみのりさのファンの姿が多く見られる。両者には、地方から上京してメジャーデビューした少人数ユニットという共通点があるが、今年に入って「アイドルお宝くじ」で一緒に勝ち抜いていったことを、この親交を深まりと無関係ではないだろう。

新境地を見せたライブ前半

さて、Overtureに続いてメンバーが登場すると、場内から大きな拍手喝采。白系のショートパンツの衣装。

最新シングルの「曖昧MOON」で、低音のビートをフロアに効かせてクールにライブがスタート。

「GAME」「シグナル」「ユメミルツバサ」「トラベリンバンド」「初恋☆キラーチューン」と、インディーズ時代の曲とメジャーデビュー後の曲をバランス良く織り交ぜながらライブは進んでいき、ときにはMIXやコールを交えながら盛り上がりを見せる。

ステッキを使ったダンスを魅せたり、衣装が自分達でアレンジしたものであることをMCで披露したり、意外な顔を見せてくれる。

意外と言えば、しっとりとした「パウダースノウ」に続いて、最新アルバムの「NAMARA!!」に収録されたボサノヴァ調の「2月のエピローグ」では、新たな試みとしてブルーのサイリウムを振る演出が、初めて導入された。

メンバーやファンは、ほわどるオリジナルグッズのキンブレのカラーをブルーに設定。また、キンブレを持っていない観客対しても、ファン有志がサイリウムを配付。場内はブルー一色に染め上げられた。

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会場をダンスフロアとしたライブ後半

「2月のエピローグ」が終わるとステージにスクリーンが降りてきて、浦谷はるなが実家に帰省した動画が流れる。トマトスープを作るという一コマだったが、普段のステージでは見られないようなリラックスした表情に癒された。

再度スクリーンが上がると、メジャーデビュー曲「Magic Motion No.5」のイントロが流れる。沸き上がる場内がステージを見つめると、メンバーの二人が関係者エリアを通ってフロアの中央に現れる。白と黒のモノトーンの新衣装のワンピース。

ミラーボールが回転して、ライトの反射光が瞬いて、フロアはクラブ、いや、ディスコと化す。

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360度を見回し、終始レスを観客に送る二人。そして、僕のところにも、はーちゃんから指差しの直撃が! このときのドキドキを僕はずっと忘れないだろう。

「ラジオスターの悲劇」のカヴァーから、今日発表の2曲の新曲のうちの1曲「秒速partynight」を初披露。これもディスコチューンで、はーちゃんプロデュースらしい。

Tactics」「セツナSHOOTING STAR」「サンライズ!」と畳みかけるようなセトリでフロアの温度はどんどん上昇し、「君の瞳に恋してる」のカヴァーから、最後の曲は、最新アルバム収録の「ジェットコースター」。まさに高速でアップダウンを繰り返しながら、最高速に達するジェットコースターのようなセトリ。

序盤からはーちゃんの声が枯れ気味だったが、熱の入ったステージでますますハスキーに。それをカバーするように、ちはるんがMCを一生懸命頑張っている姿も印象に残った。

アンコール、そして…

アンコールの大声援に呼ばれるように再度メンバーがフロアに登場。首回りをカットしてアレンジしたほわどるのオリジナルTシャツを着ていたが、はーちゃんのアレンジがちょっと大胆で肩が出ていてセクシーな雰囲気も。

MCで、上京後に「他のアイドルに埋もれないようにするには何ができるか」ということで始めた「生声」ライブのことを語る。僕も一年くらい前に、タワレコの東京駅八重洲口店に観に行ったことがあるけれども、あれは本当に印象的だった。

そんなエピソードに続いて「向日葵」をアカペラで。自らを向日葵になぞらえる歌詞が、アカペラで響いてくる。心の奥まで。

「また会えるよ」って 君の言葉 都会に消えてく
見慣れた風景が 僕をもっと強くさせるんだ
Ah 無邪気なまま はしゃぐ君が水面に輝く
鈍色の想い出に 咲く向日葵
WHY@DOLL「向日葵」)

はーちゃんが手紙を朗読。「アイドルになって大きな会場で夢を叶えたくて上京した。まだ夢を叶えるには道のりは遠いけれども、今日ここに来てくれた人と一緒に進んでいきたい」と。最後で自分の名前を言うところで、「キャラじゃないから」と照れ隠しにちょっとふざけていたけれど、真摯な内容の手紙に、思わずちはるんももらい泣き。

アンコールの最後は「LOVERS on EARTH」で、観客も手を挙げたり振ったりして、一体感のあるエンディング。

手作り感とか一体感を強く感じさせるライブで、いたずらにキャパの大きなハコの実績を目指すのではなく、こういう風に着実に足場を固めて行くことの重要性を改めて感じさせられた。

初見のファンや、ライトヲタも巻き込んでのこの盛り上がりを観るに、ワンマンライブとしては大成功だった言えるだろう。

また、ライブ終盤には、秋に全国ツアーを行い、冬にニューシングルを出すことも発表。ツアーの日程は、彼女達の出身である札幌を振出しにして、10/17札幌、11/1名古屋、11/8大阪、11/21東京。11/21のツアーファイナルは新宿BLAZEで行う予定とのこと。

新宿BLAZEのキャパは800人。今日の会場のざっと3倍ということで、ほわどるにはチャレンジとなるだろうが、全国ツアーを経てじわじわと多くの人を集めることを集めることだろう。成功を信じている。

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(セットリスト)

1 曖昧MOON
2 GAME
3 シグナル
4 ユメミルツバサ
5 トラベリンバンド
6 初恋☆キラーチューン
7 パウダースノウ
8 2月のエピローグ
(はーちゃんビデオ・衣装替え)
9 Magic Motion No.5
10 ラジオスターの悲劇
12 秒速partynight(新曲 表記不明)
13 Tactics
14 セツナSHOOTING STAR
15 サンライズ
16 君の瞳に恋してる
17 ジェットコースター
(アンコール)
en1 向日葵(アカペラ)
en2 LOVERS on EARTH