callme「To shine Live vol.3」@AKIBAカルチャーズ劇場


 余計なことは考えずに、歌って踊っていれば、それでいい。
「それは、わたしのなりたい自分じゃなかった。」
朝井リョウ『武道館』)

callmeの定期公演に行った。

 
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実は、callmeのライブを観るのは今日が初めて。
 
今までcallmeに行かなかったのには訳がある。昨年12月30日のドロシーのツアーファイナルで「KOUMI、RUUNA、MIMORI」による選抜ユニットcallmeの企画が発表された時点で、このユニットが成功すれば、ドロシーの5人の活動に支障を来たすのではないかと懸念していたからだ。
 
今年4月28日、callmeの3人がドロシーを卒業すると発表された。社会人として「なりたい自分になる」ために3人が選んだ道である。僕としては、本人の意思で決めた道ならば、そこでの成功を祈るのみ。
 
ということで、callmeの3人の前途を祝福する目的も兼ねて、定期公演を観に行った。
 
ライブは夜8時スタートと遅めなこともあり、学校帰り・仕事帰りにも行きやすい。だが、客席は、前売の整理番号の呼び出しが80番くらい、当日券10番ちょっとくらいと、率直に言って少な目
 
OPSEが始まる。スモークの中、3人がステージへ。モンドリアン風の衣装にポニーテール。
 
Like a Gypsy」から「Awaking」と2曲続けて披露した後、自己紹介のMC。
 
KOUMIが、インドのダンスのように首だけを左右に動かすポーズで「振り付け担当のKOUMIです」と自己紹介。
 
続くMIMORIが、それを受けてピアノを弾くポーズで「楽曲制作担当のMIMORIです」と。
 
水分補給から戻ってきたRUUNAはそのポーズを見ていないので、ストレートに「リーダーのRUUNAです」と自己紹介。すかさず突っ込むMIMORI。笑った後、結局特にポーズを決めないRUUNA。リラックスした雰囲気。
 
スクリーンの「Awaking」の歌詞が映し出され、作詞したMIMORIによる解説が始まる。
 
「Awaking」は「覚醒の意味で、夢と現実の間を歌ったもの」だそう。朝起きるのが弱いMIMORIらしい歌詞ということで笑いを取るが、彼女が「覚醒」という言葉に込めた象徴的な意味は、もちろんもっと深いものであろう。たとえば、自らの「才能の覚醒」のような。
 
続いて、マイクスタンドが設置される。「次はKOUMIの作詞です」という前フリに続いて、英語詞の「Precious」とバラードの「Missing you」を。心地よいバラードだが、歌詞やボーカルやダンス
端々に、「自分たちがやりたいことをやっている」楽しさが溢れ出ている。
 
オフのときに何をしているかというMC。
(MIMORI)アレンジャーから与えられた課題曲のビル・エヴァンスを練習していた。ふと気付いたら、眠っていたのに鍵盤の上を指が動いていた。
(RUUNA)地元仙台の友達と出掛けてお年寄りの人に話しかけられた。
(KOUMI)お菓子作りでチョコパイを作った。(女子力の高いところを見せたが、他のメンバーから「もらっていない」とブーイング)
 
同い年同士らしい、カジュアルなガールズトークの中に、それぞれのプライベートを垣間見る思い。
 
特に、 キーボード演奏に励んでいるというMIMORIの話を聞きながらいつか僕らは、テンションコードに乗せてスウィングしながら弾き語るcallmeを見る日が来るかもしれない、と思った。
 
ライブも後半に入り、「My Style」「Falling for You」「My affection」を続けて披露した後、ここでの定期ライブがあと2回であることと、次回は新しいことに挑戦したいと意気込みが語られた。
 
最後の曲は「memories」。作詞をしたRUUNAが、「みなさんの大切な人や、ふるさとを想いながら聞いていただけれと思います」と曲紹介。RUUNAは、誰のことを想いながら、この詞を書いたんだろうと、彼女の内面に想いを馳せつつ聴いた。
 
終演後は、急遽、ハイタッチお見送り会が開催され、callmeの3人に直接言葉をかけることができた。
 
僕は3人の前途を祝福する簡単な言葉をかけた。MOMORIは自信満々のドヤ顔で愛想良く微笑み返してくれた。KOUMIはくしゃくしゃに崩れた笑顔でお礼を述べてくれた。そして、RUUNAは、今までと何も変わらない澄んだ真っ直ぐな瞳で「ありがとうございます、シャープさん」と答えてくれた。
 
 ドロシーでは叶えられない夢を追って卒業を決めたcallmeの3人。のびのびと歌って踊る3人は、自分たちがやりたいことをやっている感があった。
 
ただし、現時点でのcallmeのステージはセルフプロデュースらしい自己表現の喜びを大いに感じさせるものの、「覚醒」と呼べるような段階には至っていない。きっともっとできる、と思わずにはいられない。
 
もちろん、結成から半年も経っていない若いユニットだ。ここから先、さらにレッスンも積んで、どんどん曲作りもしていくということなので、姿を変えていく可能性は大いにあるだろうと思う
 
(セットリスト)
1 Like a Gypsy
2 Awaking
3 Precious
4 Missing you
5 My Style
6 Falling for You
7 My affection
8 memories