アイドルお宝くじとは
「アイドルお宝くじ」は、アプガとポッシが毎回1、2位争いをする中で、3番目の椅子を挑戦者が争う番組だと思っていた。この日までは―
(写真は収録時にスタジオで撮影したもの)
ここでルールを確認しておくと、毎週5組の出演者が登場し、会場の投票によって選ばれた上位3組が勝ち残る。投票は、各出演者のファン20名ずつ合計100人が上位3組を選ぶというもの。つまり、どこかのユニットが組織票で優位に立つことは難しく、むしろ他ファンの支持をどこまで得るかがポイント。
アプガは10週目、ポッシは7週目。この2組が安定的に勝ち残っているのは、ステージの実力が突出しているというのもあるが、両ユニットのファン層がそれなりに重なっているというものある。この1、2フィニッシュ態勢は盤石にも見え、見方によっては、そろそろマンネリを感じさせるようになっていた。
今回の出演者
さて、今回の出演者は以下の通り。
アップアップガールズ(仮)(前回1位、10週目)
THEポッシボー(前回2位、7週目)
つりビット(前回3位、2週目)
ハコイリ♡ムスメ(初)
吉田凜音(初)
前回は初出場のつりビットが4thシングルの「踊ろよ、フィッシュ」を披露して、アプガ、ポッシに続く3位となり、勝ち残った。
【公式】つりビット『踊ろよ、フィッシュ』MV Full ver. - YouTube
つりビットが残ったのは、平均年齢14歳というメンバーのフレッシュさとともに、楽曲の知名度が高かったのも有利に働いたかもしれない。だが、今回初出場のハコイリ♡ムスメも、吉田凜音もともに14歳。フレッシュさだけでは勝ち残れないだろう。ハコイリ♡ムスメは、誰もが知っている懐かしいアイドルソングを歌うだろうし、吉田凜音は若手屈指の歌唱力を持つ実力派。これはどう考えても激戦が予想された。
- THE ポッシボー(前回2位、7週目)
ライブの最後に歌われる「桜色のロマンティック」を歌う。コールや手拍子でフロアを巻き込むのが上手で、投票を呼び掛けるMCも絶妙。手慣れたパフォーマンスを見せた。
- ハコイリ♡ムスメ(初出演)
1985年のおニャン子クラブの「真っ赤な自転車」を披露。初々しさと懐かしさが同居したハコムスワールド。ときどき不安定になるボーカルさえも武器にするステージ。まったりとした雰囲気の癒され空間を作り上げた。
- つりビット(前回3位、2週目)
最近の配信曲の「Go!Go!!Fishing」を全力披露。
【公式】つりビット『Go! Go!! Fishing』MV Full ver. - YouTube
曲自体の知名度は「踊ろよ、フィッシュ」ほど高くないが、MIXもコールもオーイングも全部入り、会場のアイドルファンを広範に巻き込むパフォーマンス。前回からの勝ち残り組ではあるが、それを感じさせないフレッシュさ。
- 吉田凜音(初出演)
北海道札幌から単身で乗り込んできた14歳。ソロアイドルの出演は番組初。西寺郷太全面プロデュースの「恋のサンクチュアリ!」で、圧巻の歌唱力と度胸の座ったステージングで会場の空気を支配。
- アップアップガールズ(仮)(前回1位、10週目)
高い壁のようにそびえたつディフェンディング・チャンピオン。前回に続き、関根を欠きながらも、彼女のメンバーカラーであるオレンジ色のリストバンドをメンバー全員が身に付けて「ワイドルセブン」を熱唱。安定のパフォーマンスを見せつけた。
激戦の結果
オンエアでは分からなかったが、集計は予定よりも時間がかかっていた。ディレクターは「激戦なので、集計に間違いがないか確認していた」と。そして、いつものように、結果は第3位から発表された。
3位:ハコイリ♡ムスメ(466ポイント)
ハコムス強し!おニャン子強し!この時点で「つりビット、ダメだったか…」と思った。僕だけでなくて、たぶん多くの人が。
2位:つりビット(508ポイント)
アプガ、ポッシの定位置だった2位を奪取。前回の3位からもランクアップ。前回の「初戦勝ち抜き」のときのメンバーの喜びにも感動したけど、今回の涙にもらい泣きした。つりビット、2週勝ち抜きおめでとう!
1位:吉田凜音(518ポイント)
「1位はアプガかポッシか」という気持ちと「今日一番良かったのは凜音ちゃんだからな」という気持ちが交錯していたが、やはり1位。この結果だけでも、アイドルお宝くじは「ガチ」だと思える。つりビットとの票差が僅差なのは、じわじわ悔しいけれど。
「革命」の鍵は何だったのか
トランプゲームで言えば、アプガとポッシの1、2位支配は、大富豪と富豪みたいなものだ。この体制がひっくり返ったのだから、これは「革命」だと言える。
では、「革命」の鍵は何かと言うと、ズバリ「年齢」だと思う。つりビット、ハコイリ♡ムスメは平均年齢14歳、吉田凜音も14歳。一方、アプガは20歳、ポッシは22歳。この回は、ティーンエイジ推しが多数派だったのだ。ということは、前回、もしつりビットが勝ち残っていなかったら、このような年齢構成にはならなかったわけで、極論すれば、つりビットが「アイドルお宝くじ」の歴史を変えたとも言える。
もちろん、年齢だけが鍵ではなく、楽曲自体の良さや、パフォーンマンスの初々しさという要素もあるけれども、この回に限って言えば、熟練よりもフレッシュさを評価するヲタが多数派となったし、そういう目での評価が投票結果に反映されたとのだろうと思う。
個人的にはアプガとポッシのような長期勝ち残りユニットには、「敗者」という形ではなく「殿堂入り」という形で花道を用意できれば良かったのではないかと思う。だが、いずれにしても2大王者が去ったことで、今後の「アイドルお宝くじ」は、さらに「ガチ」な面白さを増すのではないかと思う。
次回の出演者は、吉田凜音、つりビット、ハコイリ♡ムスメの勝ち残り組に加え、まなみのりさ、Faint*Starが登場。これはまた実力派、楽曲派の入り乱れる戦い。これはまた見逃せない。次回放送は2月13日(金)深夜。
個人的には、つりビットの快進撃がどこまで続くのか、じっくりと見守っていきたい(といいつつ、次回の収録にも行っているが、放送前には内容を話すことはしません)。