原作のボリュームを考えると、『ホビット』は3部作にするほどの必要はないくらいの長さ。なので、『ロード・オブ・ザ・リング』が駆け足なのに対して、かなり一つ一つのエピソードを丁寧に描いている。
日本での封切り前なのでネタバレを避けて書くと「2時間40分かけてここで終わるのかよ!」と突っ込みたくなるところで次作に山場が持ち越される『レッドクリフ』状態。
そして、僕の大好きな「グレイ・ザ・ガンダルフ」も期待以上の見せ場あり。しかし、原作のガンダルフは頭が良い策士のイメージだったのに、映画では漢気のあるツンデレ魔法使いキャラが定着したようだ。まあ、歓迎する方向だけど。
といろいろと書いたが、この『ホビット』シリーズの最大のの魅力となっているのは、ビルボを演じるマーティン・フリーマンのとぼけた演技に他ならない。彼の演技というか、顔芸だけで、相当の推進力になっている。
今回は、TVドラマ『シャーロック』でコンビを組んでいるベネディクト・カンバーバッチの出演もあり、ファンをにやりとさせる仕組みも用意されている。
ファンタジー映画としては『ハリー・ポッター』シリーズが完結した今となっては、大作のシリーズはこの作品くらいであり、その点では完結まで楽しみながら追いたいシリーズではある。早く完結して欲しい(といいつつ、完結したらディレクターカットのロングバージョンがBDで出そうだけど(。