Dorothy Little Happy(ドロシーリトルハッピー) Live 2013 in Winter @川崎CLUB CITTA

Dorothy Little Happy(ドロシーリトルハッピー)のライブに行ってきた。

川崎CLUB CITTAの収容人数は1300人(スタンディング)だが、後ろの方まで埋まっていてざっと1000人は入っている感じ。だが、ここのステージは高めであることに加え、舞台上にはさらに「お立ち台」も設置され、後方からもパフォーマンスがよく見えるようになっている。天井も高くて開放感がある。 

メンバーが登場。ラインの綺麗なシンプルな白のコスチューム。会場内が湧き上がる。「ジャンプ!」に合わせて、ジャンプをするファン、サイリウムを両手で振り上げて回すファン。熱いファンの声援がメンバーにフィードバックされ、パフォーマンスに力が入るようだ。高音の伸びるボーカルが頭の中に入り込んでくる。

ダンスのパフォーマンスも美しく、シンプルなコスチュームがメンバーの細かい動きを引き立たせる。特に指先の表情が情感たっぷりで、一糸乱れぬフォーメーションは圧巻。5人のダンスが綺麗に揃うとこんなに美しいのかと。

青春の只中にあるという感じの熱い曲がしばらく続いたあと、「部屋とパジャマと私」との曲名が紹介されると会場から小さなどよめきが起きる。しっとりとしたかわいらしい曲調。盛り上がる曲と、聴かせる曲のミックスが絶妙。これだけ大きいハコでこういう静かな曲をセトリに入れてくるのはアーティストとしての自信の表れではないかと思う。

MCを交替で行いながら途中でコスチュームチェンジ。最初3人が残って「今年一年を振り返る」というトークをして7月まで、その後、着替え終わった2人が登場して、前半のMCを引き取る形で8月からを振り返る。5人のメンバーの息の合ったところと絆の強さを見せられる。

年初の方でBiSとのコラボのことを語っていて「最初は緊張したけど、会ってみたらいい人だった」と言っているのが面白かった。

「では冬の歌を」という紹介の後、「永遠になれ」「Winter Blossom〜冬の桜〜」を聴かせる。季節感を感じさせるセットリストが染みこんでくる。そして、「Life goes on」「colorful life」「ASIAN STONE」という怒涛のシングル曲攻勢。否応なく盛り上がる。この湧き上がるような盛り上がりは、まさに正統派アイドルのそれだ。

数曲続いた後、BiSとコラボした「nerve」へ。疾走感と切なさとを感じさせる。そこから2曲挟んで「デモサヨナラ」へ。これは「好きよー、好きよー」というサビの合間に、観客席から「オレモー!、オレモー!」というコールを挟んだ一体感のあるパフォーマンスが楽しめる。本当は別れの曲で悲しいはずなのに。

会場が沸き切ったところで、「最後の曲です」という紹介の後、来年2月に発売される新しいアルバム『STARTING OVER』のタイトル曲の「STARTING OVER」を初披露。耳を澄ませるファンの前で、静かだが力強いバラードを聴かせた。盛り上がりが最高潮になったところで、静かな曲をじっくりと聴かせるというのは、本当に楽曲に自信があることの表れだと思う。

アンコールで2曲披露するも、会場の熱気は増すばかりでダブルアンコールで「未来への虹」。メンバーもファンも一緒にタオルを回しながら、サビのパートで観客一同、統率されたように右へ左へと動く民族大移動。体が動くと気分も盛り上がると実感。

2時間半があっという間に感じる充実したライブ。ダブルアンコールで観客も完全燃焼、と思ったが、会場はまだ熱量を持て余し気味で発散し切れていない熱さ。BGMとしてかかっている曲に合わせて全力でコールをする人があちこちにいるほど。

それにしても、ドロシーのパフォーマンスは完璧だった。歌も、ダンスも、MCも。

特に、シンプルだが女性的なラインを強調したコスチュームで踊られるダンスの美しさは特筆すべき。隙がなく、自信に満ちていて、品格があった。まさに「魅せる」という感じ。

ステージでのパフォーマンスで「魅せる」メンバーと、観客席からコールを送るファンとの一体感。ライブ後に握手会もあったが、あくまで主戦場はステージパフォーマンスであるというメンバーの意気込みがひしひしと伝わってくる。ステージでの燃焼に全力を尽くそうとするメンバーと応援しよういというファンの生み出す一体感。コールを送るにも、照れや迷いは全くない。「いまここが全て」という感覚。

クラブチッタは、音圧が高い音響、高い天井からの凝った照明で、箱としては良いところだと思う。そこに、ドロシーの5人というメンバー数を最大限に活かしたボーカルの厚みと、コンビネーションの豊かなダンス。これだけの実力があって「魅せる」ステージが、ダブルアンコールで2時間半3,500円というのは驚異のコストパフォーマンスだとしか言いようがない。

もちろん、ライブは金額の多寡だけで評価されるようなものではないが、会場には比較的年齢の若いファンも多いことは、コストパフォーマンスの良さとある程度の関係性があるのではないかと感じた。

来月は台湾でのイベントに参加するそうだが、これだけレベルが高くて直球ど真ん中の正統派アイドルグループは、台湾でも間違いなく受けそうだ。正しいマーケティングだと思う。

ドロシーは確実に進化しているし、2014年の方向性もきちんと定められている。「仙台のローカルアイドル」という枠を破ってくる存在になることは間違いない。会場の後方に掲げられた横断幕の「絶対実現!日本武道館!!」という夢を、きっとメンバーもファンも信じているはず。それは恐らく遠くない将来に実現するだろう。

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(セットリスト)

01.ジャンプ!
02.恋は走りだした
03.2 The Sky
04.恋をしてるの きっと
05.ソウル17
06.部屋とパジャマと私
07.set yourself free
08.永遠になれ
09.Winter Blossom〜冬の桜〜
10.Life goes on
11.colorful life
12.ASIAN STONE
13.CLAP! CLAP! CLAP!
14.GET YOU
15.nerve
16.諦めないで
17.Cold Blue
18.デモサヨナラ
19.Starting Over
(アンコール)
20.未来へ
21.明日は晴れるよ
(ダブルアンコール)
22.未来への虹