僕の好きなPerfumeが帰ってきた―『LEVEL3』

Perfumeのニューアルバム『LEVEL3』(初回限定DVD付)がAmazonから届いた。ジャケットはピンク色だった。

前作『JPN』も完成度が高いアルバムだったが、「国民的アーティスト」の呪縛というべきか、あちこちにちょっと保守的になった、無難になったと感じさせるところがあった。だが、今回の『LEVEL3』は、世界レベルで勝負するためか、実に先鋭的なサウンドを纏っている。個人の感想だが、「僕の好きなPerfumeが帰ってきた」という印象。

以下、初見でのインプレ。

M-01の"Enter the Sphere"から攻めるサウンドの洪水。太いアナログシンセのうねる音とビートに身を委ねる。
M-02の"Sprig of Life(Album-mix)"のイントロとかもう別の曲かというくらいの過激なアレンジ。これは爆音で聴きたい。
M-03"Magic of Love(Album-mix)"ではボーカルとリードシンセの対位法が絶妙で、デッドなボーカルが生々しく感じられる。
M-04"Clockwork"は、打って変わってシンセの向こう側から浮遊感のあるボーカルが降臨するような幻想的なサウンド。
M-05"1mm"は個人的にはこのアルバムのベストチューン。アーティスティックなPVの補正もあるのだろうけど、エスニック風味のリードシンセの音色が病みつき。
M-06"未来のミュージアム"は映画「ドラえもん」の主題歌だが、「子供向け」という先入観を廃して聴くと、初期のPerfumeの楽しさを思い出す。
M-07"Party Maker"は筋金入りのダンスミュージック。冒頭の打ち込みのリズムだけで体が動き出す。7分22秒という長さからもノンストップで踊らせようという意図を十分に感じる。
M-08"ふりかえるといるよ"は、ちょっとクールダウンするようでいて、どこか引っかかりのある風変りな曲。
M-09"ポイント"はドラムンベースとハープ中心の軽めでシンプルなサウンド。聴くほどにくせになる。
M-10"だいじょばない"は畳みかけるような歌詞とボーカルのエフェクトがキレキレなPerfumeの王道路線。こういう曲をドームで大音響で聴きたいと思わされる。
M-11"Handy Man"は、音色やメロディで「欧米からみたアジア」を感じさせるエキゾチックなナンバー。
M-12"Sleeping Beauty"は音色が「GAME」っぽい。実質的にボーカルがないので、ライブでは場面と場面のつなぎで使われそうだけど、これはこれでカフェやショップで流していたらとてもお洒落な雰囲気。
M-13"Spending all my time (Album-mix)"は、リフの洪水とレゾナンスの効いたベースが印象的なmix。ボーカル少な目。これは中毒性ある。
M-14"Dream Land"はこのアルバム最後の曲。中田ヤスタカの持つアグレッシブさを体現したかのようなサウンド。最近のボーカロイド曲の持つ前衛性に負けない新しさを感じさせ、Perfumeにとっても新境地ではないだろうか。

ということで、個人的にはもっと聴きこみたくなるアルバム。初回限定のDVDも『1mm』のPVの他、ライブのMCや、ラジオ番組が長時間収録されていて、お買い得な気分。

LEVEL3(初回限定盤)(DVD付)

LEVEL3(初回限定盤)(DVD付)