河下水希先生がジャンプSQでノリノリで連載していた『Gまるえでぃしょん』(前巻のインプレは「ノリノリである―『Gまるえでぃしょん(1)』 - SHARPのアンシャープ日記」でエントリー)。
第二巻にして最終巻を買った。
G丸が物語を動かすところは相変わらず楽しい。先生ノリノリである。第10話のメカと戦う戦闘美少女とか、第11話のあるとの入浴シーンとか、第12話の○○券発行とか。そして、第14話で、ほぼ何の脈絡もなく唐突に野球の話になるとか、勢いのある作品に許された特権だと言ってもよい。というか、河下先生、意外にスポーツモノもいけるのではないかと思ったり…。
だが、物語を終わらせることが確定した段階で、駆け足的にまとめに入らざるを得ないのが残念。第15話の佐治さえりの未来のコスプレ姿をもっと拝みたかった気もするし、あるとの未来についてもう少しじっくりと描いて欲しかった気もする。
あとがきで、河下先生は「とても楽しく描けました」と心情を吐露している。やはりノリノリであったのであろう。そして「G丸のお話はまだいくらでも続きが描けそうな気もしますが、これでおしまい。また新しい気持ちで次の作品に挑んでいきたいと思います」と書かれている。ファンとしてはもっと読みたかったというのが正直なところ。まだいくらでも続きが描けそうだというので、実質的には「打ち切り」となったみたいでちょっと寂しい。
これだけの良作がわずか2巻で完結というのは、SQもやはりジャンプシステムなんだと改めて思わざるを得ない。河下水希=『いちご100%』というイメージが強く、あのような作品が求められているのかもしれないが、個人的には『いちご100%』よりもこの『Gまるえでぃしょん』や『初恋限定。』の方がずっと好きだ。そういう作品を長く読ませてほしいと思う。
- 作者: 河下水希
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2013/02/04
- メディア: コミック
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