二作目のジンクスを免れず―『シャーロック・ホームズ シャドウゲーム』

ガイ・リッチーシャーロック・ホームズの2作目『シャドウゲーム』を観た。

ロバート・ダウニー・Jrの飄々としたホームズと、ジュード・ロウのツンデレ受けなワトソンの絡み。なんというか、このキャラのカップリングだけが見どころと言っても過言ではない映画だった。

ヒット作の二作目は出来が悪くなるというジンクスがあるが、この作品もそれを免れなかった。前作で準主役級の存在感を示したアイリーン・アドラーはどうしてしまったのか。満を侍して登場したモリアーティに大物感が乏しいのはどういうことか。マイクロフトはいつから変人キャラになってしまったのか。

そして、最大の問題は、プロットがどうにもぶつ切れで、全体として大きなうねりを生んでいないことだろう。静止画や早送りを多用したアクションに騙されてしまうが、ストーリーを通して、あの結末に至る必然性がよく分からない。

キャラ優先の娯楽作品としてはまあ許容範囲だが、ミステリとかサスペンスとかを真面目に楽しもうとすると肩透かし。そんな感じだ。ノオミ・ラパスはそれなりの魅力を見せてくれたが、あえてヒロイン的に使う必要までは感じなかった。

個人的にはBSプレミアムで『SHERLOCK/シャーロック』を見て以降、ベネディクト・カンバーバッチのホームズとマーティン・フリーマンのワトソンの二人の方に惚れ込んでいるので、この劇場版の新作には今ひとつ入り込めなかった。

シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム Blu-ray & DVDセット(初回限定生産)

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