ザ・タイマーズを知っているか

1月10日付朝日新聞社説「成人の日に―尾崎豊を知っているか」が話題になっている。社説の終盤を引用する。

尾崎豊はどこへ行ったのか。
あの時の尾崎と同じ26歳、気鋭の社会学者、古市憲寿さんには「オヤジよ、放っておいて」と言われそうだ。
近著「絶望の国の幸福な若者たち」では、20代の7割が現在の生活に満足している、との調査結果を紹介している。過去40年で最高だ。
将来の希望が見えないなか、未来を探すより、親しい仲間と「いま、ここ」の身近な幸せをかみしめる。そんな価値観が広まっているという。
なるほどね。いくら「若者よもっと怒れ」と言っても、こんな社会にした大人の責任はどうよ、と問い返されると、オヤジとしても、なあ……。
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若者には「怒れ」と言わんばかりなのに、大人の側の責任については「なあ…」とお茶を濁す。そんな状況で、果たして朝日は「若者よもっと怒れ」と本気で言いたいのだろうか。

もし本気であれば、人選に疑問ありということになる。同じ80年代後半のロック歌手であれば、尾崎豊よりもザ・タイマーズの方がずっと怒っていた。こんな風に。

何言ってんだー、ふざけんじゃねー
核などいらねー
何言ってんだー、よせよ
だませやしねぇ
何言ってんだー、やめときな
いくら理屈をこねても
ほんの少し考えりゃ俺にもわかるさ

放射能はいらねえ、牛乳を飲みてぇ
何言ってんだー、税金(かね)かえせ
目を覚ましな
巧みな言葉で一般庶民を
だまそうとしても
ほんの少しバレてる、その黒い腹

若者かどうかなど関係ない。問題は、巧みな言葉で騙そうとしている側に立つのか、それを批判する側に立つのか、だと思う。