哀しくも美しい小夜―『BLOOD THE LAST VAMPIRE』

『BLOOD-C』好きが嵩じて原点の『BLOOD THE LAST VAMPIRE』を鑑賞。

公式サイト:BLOOD THE LAST VAMPIRE

セーラー服の女子高生・小夜(SAYA)が日本刀で怪物を斬りまくる作品。タランティーノもこれを見て『キルビル』のアニメパートをProduction I.Gに依頼し、制服女子高生の殺し屋として栗山千明を登場させたらしい。

刀が煌めき、血が飛び散る。舞台となる横田基地も独特の雰囲気。軍用ヘリに小夜が向かうあたりは、『BLOOD-C』の最終話でもオマージュされていたところで、最大の見せ場。

感情移入を拒否するような小夜のルックスとキャラクター。哀しくもあり、美しくもあり。

開始早々、押井守ワールド全開に見えるが彼はあくまで企画協力。監督・北久保弘之、キャラクターデザイン・寺田克也、制作・Production I.G。48分の時間があっという間に感じられる。

『BLOOD-C』の映画の予告の映像を見る限り、光と影の雰囲気は本作品の路線を踏襲しているように見える。この作品は、第4回(2000年度)文化庁メディア芸術祭アニメーション部門大賞受賞。この原点があってこそ、劇場版『BLOOD-C』への助成金があるんだろう。

BLOOD THE LAST VAMPIRE [Blu-ray]

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