安くなったBDトリロジーを買ってもろくに見ない。半年前にAmazon.ukで買った『ハムナプトラ』を放置している俺が言うのだから間違いない。
そんな中、大幅値引きに釣られて『パイレーツオブカリビアン』3部作にも手を出してしまった。このまま「積みブルーレイ」にするのはやめようと、両方を開封して同時上映してみた。
いずれも冒険伝奇モノの娯楽大作シリーズということで同じカテゴリ。『インディジョーンズ』シリーズの後釜のポジションを狙っての攻防。さしずめ「海の王者」対「陸の王者」。もっとも、対決の戦場は俺の脳内だが。
まず公開時期から。
『インディジョーンズ』シリーズは、1981,1984,1989,2008年。
『ハムナプトラ』シリーズは、1999,2001,2008年(スピンオフ除く)。
『パイレーツオブカリビアン』シリーズは、2003, 2006, 2007, 2011年。
インディのまさかの4作目を除けば、基本的には上記の順。
主人公はどうか。インディ先生(基本インテリだけど力もある)、リック隊長(ツキに恵まれたナイスガイ)、ジャック船長(飄々とした無頼派)。この3人にはあまり共通点はない。が、世界の謎の真相にたどり着き、最後には解決してしまう。
そしてヒロイン。マリオン(主張するたくましい女性)エヴリン(好奇心旺盛な知性派)エリザベス(品格のあるお嬢様)ということで、いずれも主人公と冒険をともにする強さを持っている。
あとは、相棒。これは主人公やヒロインのキャラを引き立てるだけでなく、ストリー展開で重要な役を持っている点で各作品に共通している。
ということで、ポスト『インディ』としてみた場合、『ハムナプトラ』と『パイレーツ・オブ・カリビアン』はよく似ているが、どちらが面白いかというと、個人的には後者の方がわずかに面白いと思った。
それはディズニー映画らしいテンポのよい演出であったり、音楽の使い方であったり。
特に、気軽に口ずさめて、自分を鼓舞できるという点で、ジョン・ウィリアムズによる『インディジョーンズ』のテーマは秀逸だが、クラウス・バデルトによる『パイレーツ・オブ・カリビアン』の方もいい線いっている。『スターウォーズ』や『バックトゥザフューチャー』を引き合いに出すまでもなく、良いテーマ音楽は、良い映画シリーズの条件だ。この点で『ハムナプトラ』はエジプトのえエキゾチックな雰囲気を出すのには成功しているものの、作品のポピュラリティを獲得するには至っていない。
ということで、インディ先生の後継者としてはジャック船長の勝ち。だが、個人的には物足りなさを感じざるを得ない。その意味で、インディ先生の後継者はどっちでもない。いまだに存在しない。そう感じた人が少なくないからこそ、2008年にまさかの『インディ』の続編が作られたのだろうと思う(アレはアレで世界の謎どころの話ではないところまでスケールが大きくなり過ぎてしまって個人的にはどうかと思ったが)。
結論。早く『インディ・ジョーンズ』のブルーレイBOXを出して下さい。