シギサワカヤ、無茶しやがって―って感じの表紙の『楽園 Le Paradis』第6号を買った。いや、季節感はあるし、眼鏡も好きなんだが、この水着の面積はやっぱり無茶しすぎな気がする。以下、ネタバレしつつ感想を。
・シギサワカヤ『カテゴライズ』
今回も罪深いあの人たちの物語。純粋な欲望というのはなんて美しいんだろうと思った。清廉潔白よりも腹黒の方が断然魅力的。特にシガサワカヤの作品の場合には。
・二宮ひかる『魔法使いの冷酷』
4号と同じ設定だが、展開が異なる。シリーズ化されるのだろうか。選択肢によって異なるエンディングを見せてくれるという点では、今のゲーム的リアリズムの時流を捉えているかもしれない。
・黒咲練導『ユエラオ』
はい、「縛り」入りましたー。世間的にはアブノーマルとされているプレイのはずなのに、いつもよりもおとなしく見えてしまうのはなぜだろう。作者独自の路線がちょっと薄まったような感じがする。
・kashmir『てるみな』
電撃系の萌えキャラ風なのにどこかオシャレなのが魅力。『楽園』のカラーとは少し路線が違うのだが、かえって他の作品から引き立っているのかもしれない。
・沙村広明『新世紀ゴッドスレイヤー』
文字通り、神が世界を創造する話、なのだが、一筋縄でいかないところが沙村ワールド。いやあ、この宇宙が生まれたのも、案外こんな感じなのかもしれないれど。
・木尾士目『Spotted Flower』
『げんしけん』の斑目と春日部のその後を彷彿とさせる夫婦のお話。いや、オタク的には美味しいネタの連発で和んだ。縞パンとか。縞パンとか。縞パンとか。
とまあ、こんな感じ。二宮ヒカル、シギサワカヤという二本柱の作品がいずれも過去掲載作品の続編というのは、この雑誌としての方向が固まってきたということなんだろうか。吉と出るか凶と出るかは分からないな。