二つのマリー―『あの花』と『花いろ』

マリーこと岡田磨里が脚本・構成を手がける『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』(以下『あの花』)と『花咲くいろは』(以下『花いろ』)がともに面白い。

この二つの作品は対照的だ。ひきこもりの男子高校生が主人公の『あの花』。温泉旅館に住み込みで働く女子高生が主人公の『花いろ』。疎遠になっていた小学校時代の友達と再会する『あの花』。新しい環境でさまざまな人と出会う『花いろ』。亡くなった友達の幽霊と過ごす『あの花』。職業人として厳しい祖母に指導される『花いろ』。過去と向かい合う『あの花』。未来を切り拓いていく『花いろ』…

どこまでも対照的ゆえに、まるで背中合わせの双子のような一対の作品のように思えてくる。両方とも、最終的には、主人公が自分を見つめ抜き、真の友を得て、成長した結果希望がもたらされるであろうと思われるところも。

ということで、個人的に今期1、2位の座を争う作品がいずれも岡田磨里関連ということで、改めて彼女の才能に感服せざるをえない。今年に入ってからの作品だけでも『GOSICK-ゴシック-』、『フラクタル』、『放浪息子』を手掛けていて、「アニメ界の橋田壽賀子」という異名もうなずける。内容的にも『フラクタル』を除けばどれも自分の好みにストライクだったし。

『あの花』と『花いろ』、どちらも今後の展開から目が離せない。

『あの花』公式サイト:劇場版 あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。| アニメ公式サイト
『花いろ』公式サイト:「劇場版 花咲くいろは HOME SWEET HOME」公式サイト