『まどか☆マギカ』のOPはシャフト節の王道

魔法少女まどか☆マギカ』のOPは詐欺だと言われる。要するにまどかが魔法少女に変身するシーンが描かれているにもかかわらず、また「魔女っ子」ものの定番カットをたくさん織り交ぜているにも関わらず、本編ではまったく変身しないからだと。

なるほど。でも、僕がこのOPについて抱いている感想はまったく違う。これほど内容を表しているOPはない。隠喩的ではあるけれども。

これは実にシャフトらしい。新房昭之らしいといってもいい。ダークだ。マイナーな曲調も。全力疾走するカットも。これぞシャフト節。しかも王道。

まるで『化物語 つばさキャット』のOPだ。実写版ではなくてアニメ版の方。ネットでそういうコメントをしている人はあまりいないのだけれど。

OPでまどかは明らかに何か不吉なものから逃げている。羽川翼が猫から逃げるように。まどかは何かに向かっているようにも見えるが、僕には何かから全力で逃げているように見える。そして、この作品はまさにそういう話だろう。詐欺ではない。中身の通りだ。

僕は祈る。まどかがキュゥべえの魔の手から逃げ切るように。全て奪われて蹂躙されないように。