BDで『マイノリティ・リポート』を観た。以下ネタバレ。
プリコグ(precog)と呼ばれる3人の予知能力者たちで構成された殺人予知システム。それに従って予防的治安維持機能を遂行する警察機構によって、プリコグの導入以後、犯罪発生率が5%になった西暦2054年。プリコグは、時に3人の予知が食い違うことがある。システムの完全性を疑われないために、少数意見(マイノリティ・リポート)になる予知は存在を秘匿され、なおかつ破棄されるのだが、その中にもしも真実が潜んでいたら…。
ある日、犯罪予防局の刑事ジョン・アンダートン(トム・クルーズ)は、ジョンによる殺害が予知されたことで追われる立場となってしまう。
ドリームワークスが製作しているだけあって、近未来(2054年)の美術は見応えがある。サスペンスもそれなりだ。だが、「人間の自由意志」や「予知能力者の不幸」といった問題についてもっと掘り下げてほしかった。同じフィリップ・K・ディックが原作の『ブレードランナー』がレプリカントの儚さを描くことで、人間の儚さをも描いていることと比べると、もっと深みがあっても良かったと思う。管理社会に対する問題提示だけしてハッピーエンドでまとめてしまうのは、スピルバーグ監督の趣味なんだろうか。
ストーリーはともかく、Blu-rayのクオリティで美術を楽しむ価値のある作品だとは思う。
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